自分の趣味が、特技が、ニッチな時間の過ごし方が誰かに売れるかもしれない。そんなサービスがある。仕事はどこかに“所属”して“給料”を得るものという印象があるけど、なるほどこんなやり方もあるのか。新しい副業のスタイルとしても興味深い。
仕事にするほどの規模でもないし、そもそも誰かのニーズがあるとも思えない。自分だけのニッチな時間は自分だけのもの。休日のそんな当たり前を覆す、ちょっと面白いサービスがタイムチケットだ。
サイトには、写真撮影に占い、恋愛相談からビジネスのアドバイスなど、“他人の時間”が30分単位でズラリと並んで売られている。前回は「誰かの時間を買う」という視点で同サービスを紹介したが、今回は「自分の時間を売る」という面白さについて。引き続き、グローバルウェイの山本大策さんに話を聞いてみた。
「このサービスの前身となるコーヒーミーティングというサービスを2012年に立ち上げて、私自身も500人くらい会ったんです。サブカルとかビジネスとか、いろんなジャンルに詳しいいろんな人に出会えました。やがて、この人のスキルが世の中に知られていないのがもったいないという思いに駆られたんです。ただ、スキル自体を切り売りするのはハードルの高さを感じてしまうので、時間を売るというスキームにして敷居を低くしたんです」
それが2014年のこと。さて、具体的な流れはこうだ。まずホストとして、30分〜3時間まで、自分が提供可能な時間を登録。単価を決めて、チケットのカテゴリのほか、タイトルや説明を入力する。さらにイメージが湧きやすい画像を登録する、という段取りだ。
「チケットの最低価格は2500円/30分からです。これは、タイムチケットだけで生活が成り立つことを想定した価格なんです」
“自分の時間”という実質在庫を抱えずにできるノーリスクの業態。それが受けて、現在登録会員は14万人を超え、ラインナップするチケットの数は3万2000を超えるほどになっている。
「最近副業ができる企業が増えていますよね。自分の好きなことをマネタイズするはじめの一歩としてもいいですよ」
考えてみれば、クラウドファンディングなど、今や個人レベルでアイデアを世に問える時代になった。スキルや好きなことがお金になるのなら、願ったり叶ったりという人も多いに違いない。
「そうなんですよね。驚いたのが、買うばかりではなく、けっこうチケットを作って売ってくれることです。登録者の3割が売る側にも回ってくれて。自分のスキルを売ろうとしてくれる人が多いのは、すごくいい発見でしたね。タイムチケットで個人の才能が芽吹いている気がします」
あなたのその趣味や特技、ただ自分だけで楽しむのは、宝の持ち腐れかもしれない。そこに、思わぬニーズが眠っているとしたら……。休日や余暇がお金になるかもしれない新しいサービス、食わず嫌いはきっともったいない。
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公式WEB: | https://www.timeticket.jp |
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