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とりあえず、やってみた。

隣の芝はいつだって青い。とはいえ、目の前の仕事に息詰まったとしても、急に進路を変えるのは勇気がいる。でも、とりあえずやってみたら?前からちょっと気になっていた自分の仕事以外の仕事や新しい趣味を体験。そうしたら意外にも天職だったりして…?

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「聞き役タイプ」が挑む。結婚相談所カウンセラーの仕事をやってみた

仕事旅行

Harumari TOKYO編集部員が興味のある職業を体験してみる「仕事旅行」の連載。今回は「結婚相談所のカウンセラーになる旅」をお届け。カップルを成婚まで導くカウンセリングには、人生が潤うヒントが隠れていました。

こんにちは、編集部員のウルマです。いきなりですが、私は友人から相談を受けることが多く、いわゆる「聞き役」タイプです(あまり積極的に話すタイプではないため、聞き役に徹するしかないともいえるのですが……)。

そこで興味を持ったのが、「結婚相談所のカウンセラーになる旅」。相談者の意図を汲み取り成婚へと導くカウンセラーは、いわば「聞き役」のエキスパート。仕事柄インタビューをする機会も多いため、カウンセラーのノウハウを学び、いっそのこと聞き役を極めてやろうというわけです。

とは言いつつ、当方25歳・独身。同級生が結婚ラッシュを迎えているいわゆる“お年頃”でもあるため、体験を通して自分の恋愛タイプについても知れたら、という期待もこっそり抱いて行ってまいりました。

皆さんの参加理由は、「仕事のために、人の価値観を知りたい」「自分自身の恋愛の悩みを解消したい」といったもの。私と同様に皆さんも、カウンセラーという仕事を通して、自分に生かせることを学びたいと考えているようでした。

 

「結婚相談所」は、成婚へ導いてくれる最強のサポーター

最近、アプリを利用したり婚活パーティーに参加したりと、結婚を意識した出会いの場が増えています。そのひとつの選択肢として知られる「結婚相談所」。しかし、結婚相談所の実態については知らない人が多いのではないでしょうか?

今回参加された女性3人も「会費が高そう」「ある程度の年齢になったら入会したほうがいいのかも……」と、結婚相談所に対するイメージは曖昧なものしか持っていなかった様子。私も情報としては、婚活を題材にしたドラマで見たイメージしかありませんでした。

そこで、まずは結婚相談所とはどういった場所なのかについて教えていただきました。大前提として、結婚相談所は“結婚に意欲がある人”が利用するサービスです。遊び相手を探している人やただ恋人が欲しいという人の需要に応えるものではなく、「結婚」というゴールが決まっている人たち向けというわけ。

「『何のためにどこへ行く』ということがはっきりしている。自分を定めることができるので、パートナー探しも早いんです』」と本庄さん。なんと同社では出会いから成婚までの目標を「3か月」に設定しているとのこと。

そんなに早く結婚の意思決定まで辿り着くなんて、本当に可能なのか? と疑いましたが、本庄さんの話を聞いていると、「なるほど」と納得しました。

ほかにも、デートのスケジュールや段階の踏み方もカウンセラーがサポート。マネージャーといっても過言ではないほど、徹底的に相談者の結婚を後押ししてくれます。このように、ふたりの気持ちの温度差やバランスをカウンセラーがうまく調整してくれるのであれば、難しい駆け引きなども必要なく、最短ルートで結婚まで辿り着けるというのも頷けます。

本庄さんによって、漠然とあった結婚相談所のイメージが立ち位置として明白になったところで、次はいよいよ私たち参加者による仕事体験タイムです。

 

人生は、質問の質で決まる

ひさしぶりに再会した知人(相手)が会っていない間に結婚したという設定で、相手にさまざまな質問をしていくのですが、相手の結婚観が垣間見える回答を引き出す質問をしようとすると、なかなか骨が折れるものでした。

この一連の流れに一体どういう意味があるのかというと、質問する側(カウンセラー)がさまざまな質問を繰り返すことによって、質問される側(相談者)がおぼろげにしか描けていなかった結婚イメージを形にしていくのだそう。たとえば「相手の方とはどこでデートをするのですか?」「そこでどんな話をするんですか?」など。

質を考えて質問をすれば、一気にその人の結婚観がわかるという驚き。無理にいろいろと聞き出そうとしなくても、人は節々にその価値観を見え隠れさせているということに気づきました。しかしそのためには、自身が相手へ関心を持たなければ成り立たないということもひしひしと身に沁みます……。

逆に、質問を投げかけられる側が「理想ではこう思っていたけど、本当に私が相手へ求めていたことはこんなことだったんだ!」と気づくこともあるそうです。ヒアリングを繰り返すことによって、相談者とカウンセラーの間で、人柄や嗜好といった結婚観に関する共通認識を持つことができる。これは間柄として、非常に大事だと感じました。

本庄さんをはじめとする結婚相談所カウンセラーの“聞く力”とは、第一に相手を知りたいという気持ちを持つ。そして相手の言葉を待つのではなく、質の高い問いを投げかけるということなのでしょう。そう考えると、私はさまざまな人との会話でちゃんと「投げかけ」ができていただろうか……。聞き役に徹しすぎるあまり、相手の意思を汲み取りきれていなかったことも多かったと気づきました。

 

自分の価値観、理解していますか?

休憩を挟み、次なる体験へ。今度は相談者の立場になってみました。そもそもあまり人に相談をしないタイプであるため、ちょっと気恥ずかしい……。しかしここは腹を割って、本庄さんにカウンセリングをお願いします。

カウンセリングに使用するのは、ハートグラムカードというカード。カードの裏面には犬・天使・キリギリス・アリ・裁判官がそれぞれ描かれており、相談者は質問の内容をYES・NO・迷ったで振りわけていきます。振りわけたのち、どのカードが最終的に何枚ずつ、どのようなバランスで残ったかによって、自分の価値観を知ることができるというのです。

この価値観を知るというカウンセリング、結婚において非常に重要なことだそう。なんでも、多くの人が結婚相手を選んだ理由として挙げるのが「価値観の一致」である一方で、離婚する人の理由は「価値観の不一致」。価値観の一致で結婚したはずなのに、それでは失敗することが多いというのです。

そこで本庄さんは、結婚相手を選ぶ際、「価値観の違い」を受け入れられるかがポイントになってくると言います。そこでこういったカードを使い、交際や結婚をする前に自分の価値観と相手の価値観を比べ、互いの不一致な部分を理解しておくことが大事だそうです。

カードを選んだところ、私はこのような結果に。自分に合った婚活方法や、自分の恋愛タイプ、人間関係もわかってしまいます。

占いや心理テストのようなものかと思っていたのですが、カードの分布をもとに行われる本庄さんのカウンセリングは、「あなたってこんな人ですよね」「まさにその通りです…!」というマインド診断から始まり、「こういう人と相性がいいですね」と合う男性のタイプまで教えてくれます。なぜあなたはこんな人なのか、なぜこういう男性が合うのかという理由を詳細に語ってくれるのですが、さすがこれまで多くの人々を成婚に導いてきただけあると納得の言葉だらけ。自分が良いと思っていたタイプは自身の身を滅ぼすことになりかねないという話も聞き、やはり「成功者に聞く」、これに間違いないと思いました。

結婚相手にいまいちリアリティーを抱いていなかった私ですが、このように導かれると、結婚が現実感のあるものに思えてきました。

そしてもうひとつ行った体験。カウンセラーと相談者の立場にわかれて、お題が書かれたカードを使ってカウンセリングを行います。今度は完全に、私がカウンセラーという立ち位置。ペアになったお姉さんのことをちゃんと理解できるか、的外れなことは言ってしまわないか、内心恐々です。

「結婚したらやってみたいことは何ですか?」「10年後の今日、あなたの生活はどうなっていますか?」など、会話の糸口となるヒントが与えられているにも関わらず、自然な会話ではなく問答調子になってしまう。正直、話をうまく運ぶのも、聞き役の役目という意識はありませんでした。エキスパートになるということは、こういうことなのですね……。

しかし、先ほどのおかげで「質問の質」について考慮しながら進めた結果、お姉さんも細やかに自分の価値観について話してくださり、初めてお会いしたにも関わらずいろいろな一面を知ることができました。同時にお姉さんも「自分ですら知らなかった部分にも気づかせてもらえたかも」とのこと。これは聞き役冥利につきます、ありがとうございます!

そんなこんなで終了した今回の仕事旅行。人の話をちゃんと汲み取りたいのであれば、相手から話を引き出すための工夫も必要であると気づけました。ただ聞くだけに甘んじていてはいけない、ということですね。

また、漠然としたイメージしかなかった結婚相談所がどういった場所であるのかをはじめ、「結婚」でのマッチングに関することは、実は仕事や生活などの延長線上に位置するものなのだ、と。「自分を知る」「期限を決める」、すべて今後の自分の人生に生かしていくことができそうです。

皆さん、ありがとうございました!

あっという間の4時間、非常に有意義な時間でした。これから友人から相談を受ける際、もっと寄り添うことができるだろうという自信がついたのは、目的達成といえるのではないでしょうか?

そして、とにかく浮いた話がない私ですが、こっそり結婚相談所に通って電撃婚を決めてやろうかと画策中です。

取材・文:ウルマ(Harumari TOKYO 編集部)