フィンランドの名匠クラウス・ハロ監督の最新作「ラスト・ディール 美術商と名前を失くした肖像」が2月28日(金)から公開される。人生で大事なことは何なのか。老画商が挑む人生最後の大勝負が私たちに人生の意味を考えさせる。
家族を顧みず画商業一筋に生きてきた美術商のオラヴィ。世の中のオンライン化に押され、商売もままならず、店をたたもうかと考えていた。
ある日オラヴィは、友人に誘われ出かけたオークションハウスで一枚の肖像画を見つける。しかし、その肖像画には絵画の価値を測るための署名が存在せず、誰が書いたかも分からない。
オラヴィは長年培った経験から、肖像画はロシアの大美術家イリヤ・レーピンのものであると確信する。
「幻の名画にかかわりたい」という長年の夢をかなえるため、最後の大勝負に挑むことを決意するオラヴィだったが、そんな折音信不通だった娘から窃盗で補導された経験を持つ息子オットーをインターンとして受け入れてほしいと言われ…。
監督は「ヤコブへの手紙」(2011年)の監督としても知られるフィンランドを代表する映画監督クラウス・ハロ。監督を務めた全6作のうち4作がアカデミー賞外国語映画賞のフィンランド代表に選ばれるなど、評価の高い映画監督だ。
脚本を務めたアナ・ヘイナマーは、クラウス・ハロ監督の前作「こころに剣士を」(2015年)に引き続いて、クラウス・ハロ監督とタッグを組んだ。
主役の老画商オラヴィを演じるのは、「ヤコブへの手紙」以来のクラウス・ハロ監督出演となるヘイッキ・ノウシアイネン。
本作はただの美術映画ではない。フィンランドの美しい風景を味わうことができるヒーリング映画の要素を持ち、肖像画の作者を追うミステリー映画の要素も持ち合わせている。
そして、クラウス・ハロ監督が言うように、インターネットによって負け組の地位へと追いやられたある老人の話でありながら、長年の夢を追う人間の家族再生物語でもある。
せわしなく生きている日本人に、様々な側面から人生の価値について考えさせてくれる総合芸術が本作なのだ。
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