HOME WELL BEING TOKYO WELL-BEING “東京でつながる”という幸せ いい働き方と、いい生き方に出会える。リトルトーキョーの「しごとバー」という居場所
いい働き方と、いい生き方に出会える。リトルトーキョーの「しごとバー」という居場所

VOL.13 いい働き方と、いい生き方に出会える。リトルトーキョーの「しごとバー」という居場所

人生の中で、仕事の時間は大半を占める。人生の幸福感にも繋がる重要な時間だからこそ、自分にあった仕事や働き方を見つけたいと思う。そんな、いい働き方のヒントを探せるのが、異なる職業の人たちとお酒を片手に語り合えるリトルトーキョーの「しごとバー」という取り組みだ。

人と緩やかに繋がる場所「リトルトーキョー」

訪れると自然と肩の力が抜け、「ただいま」と言いたくなるような居場所を見つけるのは意外と難しい。

東京でありながら、郊外の入り口のような静寂を感じるスポット「リトルトーキョー」。ここは都心のせわしない空気から少し離れ、人と人とが緩やかに繋がることができる場所だ。

 

1階には今日食べたいものを作る「ごはんや 今日」。木造りの店内は初めて足を踏み入れたはずなのにどこか懐かしさが漂う。昼間からカウンターで一杯。そんな贅沢も許してくれそうなホッとする空気に包まれる。

夜はおつまみとお酒で本格的な酒処に変身。ほのかな灯りに誘われるように全国からさまざまな職種の老若男女が集い、言葉を交わす場所となる。

 

そして何といっても面白いのは、毎夜のように2階で開催される「しごとバー」というイベントだ。大きなテーブルをぐるりと囲み、イベントゲストとお客さんがお酒片手に思い思いの時間を過ごすのだ。

「しごとバー」といっても、イベント内容は仕事そのものに留まらない。『飲み会アップデートしナイト』、『未来の暮らしの美術館ナイト』『可愛い女の子撮らナイト』『新しい無人駅ナイト』…。いったいどんな人が集まるのかは未知数。だからこそ、ふらりと参加してみたくなる。

思い思いのコミュニティが生まれるリトルトーキョーを運営するのは、株式会社シゴトヒト。4階5階は自社オフィスであり、この場所に日々アップデートを加えている。

 

お酒を片手に語らう「しごとバー」

シゴトヒトが企画し、ほぼ毎夜のように開催されている「しごとバー」は、「いい働き方をしている」人とお酒を片手に語り合える取り組みだ。

「これからの林業を考えナイト」ゲストの西岡 太史さん

今夜のイベント内容は「これからの林業を考えナイト」。実際に林業に従事するゲストを中心に、まずは「乾杯」からトークセッションが始まる。

仕事の話となるとともすれば仕事の良い面や「意識高い」話に終始しがちだが、仕事のデメリットや裏話も包み隠さず素直に話しているのが心地よい。

「普段は林業とまったく違う仕事をしているんですが、最近自然と触れ合う仕事に興味が湧いて。どんな話が聞けるのか楽しみ」と話すのは、初めて参加したという、マスコミ関係の仕事をしている30代の男性。

実はこの「しごとバー」、事前予約不要、飛び込み参加OKと気軽に行けるのも魅力だ。林業を学ぶ学生、子連れのご家族、林業について何も知らないという若い女性。ドリンク片手にゆるゆると集まった人々で、あっという間に2階のスペースはいっぱいに。

トークセッションが終わった後は参加者同士で歓談が始まる。お酒を通じて、初対面の人も常連の人も、自由に、フラットに。和やかな空気がしごとバーには流れていた。

普段は知り得ない新たな価値観に触れることが、明日のしごとに繋がっていく。いい働き方は、心地よい生き方にも繋がっていく。約2時間のイベントが終わり、しごとバーを後にする人々の顔はみんなどこか晴れやかだ。小さな東京で自分だけの居場所が見つかったのかもしれない。

 

「良い働き方が、自分の心地よさになる」

どうして「しごとバー」を開催しているのだろう。シゴトヒトの代表であるナカムラケンタさんは「自分の収まる場所が欲しかった」と話す。

シゴトヒト代表 ナカムラケンタさん

「幼少期から親の転勤続きで地元と呼べるような場所がなくて。いつ行っても『おかえり』と迎え入れてもらえるような安心感のある居場所を作りたかったのかもしれません。いっそ働く場所がそういう心地よい場所であればもっと良いのかもしれない、と思って」

 

大学時代は建築家を目指していたナカムラさん。〝いい場所〟とは建物のデザインや雰囲気に左右されるのはもちろんだが、それ以上に「人の存在」が大きいんじゃないか。サラリーマン時代の行きつけのバーが教えてくれたことだった。

 

「なんで毎日行きたくなるのか? そう考えたら、バーに集まる人たちに会いにいってるんだって。イキイキ働くバーテンダーがいて、普段は会えないような仕事をしている人や、仕事終わり豪快に笑いながら酒を飲むおじさんたちがいて…」

気持ちよく働く人とともに時間を過ごすことが、明日の活力になった。良い場所に集う「人の存在」が人生の豊かさに繋がると感じたからこそ、リトルトーキョー、そしてしごとバーがうまれたのだ。

ナカムラさんは、豊かな描写で仕事内容を綴る求人サイト「日本仕事百貨」も運営している。文字で伝える仕事をしているからこそ、実際に会うことの大切さを感じていた。

 

「取材で得た思いをできるだけ文字で表現できるようにはしていますが、誤解のないように丁寧な伝え方をすればするほど、少なからず削がれてしまう魅力がある」

 

ネットでは言葉選びに慎重にならざるを得ない。もっと素で、自分らしい言葉で話せる場所。ナカムラさんは、人の体温を感じられるような居場所づくりを目指している。

 

 

写真:河野優太

MORE INFO:

リトルトーキョー

エリア: 東京 / 清澄白河・両国
住所: 〒135-0022 東京都江東区三好1丁目7−14
公式WEB: https://shigoto100.com/littletokyo