HOME WELL BEING 菌と生きる。人は菌で始まり菌で終わる。 現代人に必要不可欠。菌のサブスクで菌ケアを常識に-「KINS」代表 下川穣(前編)
現代人に必要不可欠。菌のサブスクで菌ケアを常識に-「KINS」代表 下川穣(前編)

VOL.1 現代人に必要不可欠。菌のサブスクで菌ケアを常識に-「KINS」代表 下川穣(前編)

本来は「定期購読」という意味を持つサブスクリプションサービス(通称:サブスク)。最近では、音楽や動画、ファッションなど、サブスクのサービスは多岐にわたる。2019年にスタートした「KINS(キンズ)」は、なんと菌のサブスクを実現し注目を集めている企業。どうして菌をサブスクしようと考えたのか、代表の下川穣さんに聞いた。

現代人の環境は、「菌」にとってブラック企業のようなもの

そもそも、菌とは人間にとって、どんなものなのでしょう?

下川:

菌というとまず、汚いとか悪いもの、病気の原因というイメージが強いと思いますし、それも一部を見れば間違いではありません。しかし人体には1000兆個にも及ぶ菌が、頭のてっぺんから足の裏まで存在していて、それら全てが複雑なアルゴリズムに則ってチームのように助け合い、外敵から人体を守っているんです。その菌の中にはもちろん毒素を出すものもいるんですが、それに対して別の菌が天然の抗生物質のようなものを出して落ち着けている。そうやって人体だけではできないことを、菌が外注業者のように受け持ってくれているのです、本来は。

本来は、というと現状は違うのですか?

下川:

はい。現代の日本は、どこへ行っても除菌、抗菌という言葉が目について、人々は躍起になって菌を殺そうとしてます。悪い菌はもちろん殺菌すべきですが、そのせいで良い菌や必要不可欠な菌まで殺してしまうとチーム全体のバランスが崩れてしまいます。それによって良い菌が、本来のパフォーマンスを発揮できなくなっているのが現状です。日本は先進国として台頭してきた段階で、清潔になり過ぎた。それによって自分たちにとって必要な菌までも、どんどん根絶やしにしようとしていると言えます。

それは由々しき問題ですね。

下川:

僕ももとは歯科医だったので、以前はみなさんと同じように菌は除去するものとしてとらえていました。しかし菌について知れば知るほど、それらを排除しようとするのは菌に対して失礼なことだと気付いた。そもそも菌は、人間よりはるか先に地球上に存在していて、その恩恵を受けないと生きていけないのは人間の方なのに。除菌が当たり前となった今、例えるなら自分の都合を追求して、外注業者には低賃金で24時間労働を強いるブラック企業状態になっています。

一時的なブームで終わらせない、「菌ケア」を当たり前に

ブラック企業! それはすぐにでも状態を改善したいですが……。となると、やはり菌活でしょうか?

下川:

菌活……、そうですね、発酵食品を食べたり、腸内フローラを整えたり、という意味では同じかもしれませんが、僕たちはそもそも菌への意識を変えて欲しいと思っています。菌活や腸活というと、どうしても腸にだけ意識がいってしまうのですが、菌は全身どこにでもいるのであえて菌活とは名前を変えて菌ケアとして打ち出しています。

人々の意識をどう変えていきたいと思われますか?

下川:

菌活や腸活をすすめる番組が放送されたりすると、翌日スーパーの店頭からヨーグルトや納豆が売り切れたりしますが、それはどうしても一時的なブームでしかないと思うんです。菌活、腸活に代わる新しい言葉が出てきたら、みなさん忘れてしまいそうで。でも菌はそんな次元の話ではありませんから、もっと当たり前に菌ケアして欲しいのです。

当たり前に、ですか。

下川:

ここ50年前後の話ですが、日本に欧米の食事や文化が入ってきて、以前に比べて豊かになり清潔になりました。そのせいで新しく出てきた病気などもたくさんあるのが現状ですが、菌のバランスが整えば、さまざまな病気やアレルギーの元々の原因に働きかけることができる。だから食生活はもちろん、日々の生活の中で「菌ケア」を意識したライフスタイルが浸透して欲しいです。

「菌×サブスクリプション」は、とても理にかなっている

だから菌を定期的に取れるサブスクリプションサービスというビジネスモデルになるのですね?

下川:

そうです、僕たちがしたいことを実現するには、サブスクという手段しか選べませんでした。確かに今、さまざまな業界でサブスクが着目されていますが、美容の分野には特に向いていると言えます。

そうなのですね! どんなサービスが受けられるんでしょう。

下川:

菌のサプリメントを届けるほかに、スキンテスト、コンシェルジュ機能があります。まずサプリで菌の摂取をスタートさせ、肌の常在菌をチェックして結果を待ちます。コンシェルジュ機能は初めから使えて、LINE公式アカウントからお客さまの生活習慣や食事についての質問に答えながら、菌をケアする食事や生活習慣などを伝えます。菌に対する疑問や質問に対しても、さまざまな論文のエビデンスとともに返答しているので、信頼していただいて構いません。

菌を摂取しながら、ライフスタイルにまつわる疑問質問にも答えてもらえると、いろいろと勉強になりそうですね。少し聞くだけでもとても手厚く感じますが、それがサブスクの良いところなのでしょうか?

下川:

普通の美容コスメなどは買った時点で終わりですが、サブスクリプションサービスとは登録してお客さまの手元に届いてからがスタートになります。続けていただく限りゴールはありませんが、だから僕たちは、お客さまに常に満足し続けてもらうために努力を惜しみませんし、さまざまな方々とやりとりをさせてもらうことでさまざまなデータや情報が集まり、商品やサービスを常にアップデートしていける。会員の方限定のイベントを開催したりと、提供するサービスの幅も広げていけたらと思っています。

なるほど、定期的にやりとりすることでKINS自体のサービスが向上するし、利用する側としてもやればやるほど菌ケアを学びつつ健康になれる。菌って確かにサブスク向きですね。

下川:

そうなんですよ、そうして早く菌ケアが当たり前になってほしいです。今、ビタミンCやコラーゲン、リコピンという言葉がやっと広まり一般の方々も「知ってる、体に良いんだよね?」という認識になっていると思うんですが、それと菌は次元が違います。日常生活に当たり前に菌ケアを浸透させるために、菌のサブスクリプションサービスを立ち上げたので。

もはや使命感というか、下川先生だからこそ実現したサービスかもしれませんね。次回は、菌をコミットすることで何が得られるのか伺いたいと思います。

第2回につづく)

文:松倉和華子
撮影:河野優太