毎日を充実させる東京のトレンド情報をお届け!
Harumari TOKYOのLINEをチェック

詳しくは
こちら

HOME TOPICS CULTURE 注目コンテンツ 書籍 文庫発売を記念して又吉直樹と のん による『東京百景』朗読動画が公開中
文庫発売を記念して又吉直樹と のん による『東京百景』朗読動画が公開中

文庫発売を記念して又吉直樹と のん による『東京百景』朗読動画が公開中

DATE:
2020.04.10

又吉直樹の自伝的エッセイ集「東京百景」が、7年の時を超えて文庫化。刊行を記念して、文庫版のカバーに起用されたのんと、作者である又吉直樹が「東京百景」を朗読する動画が公開された。「東京百景」を読んだことがある人にもない人にも、社会に不安が募る今だからこそ、おすすめしたい内容となっている。

芥川賞受賞作の『火花』、4月公開の映画の原作小説『劇場』の元となるエピソードも含まれている『東京百景』は、又吉直樹の原点的作品だ。

2013年に発表されたこの作品は、又吉さんが18歳で芸人になることを夢見て東京に上京してから、下積み時代を経て知名度が上がった32歳までが綴られている。東京の景色とともに、その時々の不安や苦しみを吐露した文章が話題を呼んだ。

ハルマリでは以前、又吉さんを取材しているのだが、この「東京百景」についても語ってくれている。
※又吉直樹インタビュー 何もないギリギリの状況で生まれた新作『人間』の“ライブ感”

「普段だったら絶対にこんなこと書かへんなっていう、恋愛のことや感傷的なことも書いていました。いつもなら2〜3段階工程を踏んでマイルドにして、自分の恥部みたいなものを見せへんようにするんですけど、そのときは時間がないから、自分の一番ヘビーな部分をバンバン書いてましたね。(中略)自分はこういう人前で喋りたくないことを文章で書くスタイルが合うのかもなっていう発見がありました。」(又吉直樹)

 

 

こうして生まれたヒット作が今回、新たに手を加えて文庫化されることになった。まず、カバーには女優ののんを起用し、イメージを一新。さらに「東京百景」以降の想いを書き下ろした「代田富士見橋の夕焼け」を収録し、一度読んだことがある人も楽しめる内容となっている。

 

そして注目は、刊行を記念して作られた、のんと又吉による「東京百景」の朗読動画だ。

 

動画は、又吉さんが一人、スタジオに入るところから始まる。のんとの挨拶のシーンも挟みつつ、不思議な空気感のもと、「井の頭公園」や「池尻大橋の小さな部屋」など、多くの人の心に刺さった人気のエピソードが朗読される。

淡々と読まれてはいるのだが、東京の風景とともに語られる「ドブの底を這うような」といった印象的な心理描写が、朗読によってさらに心に残っていく。のんは、朗読への想いをこう語っている。

「撮影には『東京百景』に漂う青春の痛み、油断している中に切なさが滲む雰囲気を表現しようと臨みました。動画で朗読もしている『池尻大橋の小さな部屋』の、「その人はそこで逃げるべきだったのかもしれない」という言葉が妙に残って切なかったです。悔しさが感じられる強い言葉でした。(中略)意外な組み合わせだなと思う方、どうなっているのかなと気になる方、是非その興味のままに見てほしいなと思います」(のん)

 

新型コロナウイルス禍で混沌とする東京。又吉作品が描く違った視点の東京で、改めて大好きな東京に思いを馳せてみよう。

MORE INFO:

東京百景

エリア: 注目コンテンツ
公式WEB: https://www.kadokawa.co.jp/product/322001000196/