2020年は海外への自由な渡航が規制され、出端を折られた旅好きの方も多いのでは。年が変わっても外出自粛ムードが続くなか、柔軟に楽しみ方を変えて東京でホテルステイを楽しむという都内在住の人たちが増えている。そんなとき、非日常をたっぷりと味わえるラグジュアリーホテルもいいが、クリエイティブなインスピレーションを沸かせたいなら、アートホテル「BnA_WALL」を検討してみてはいかがだろう。気鋭アーティストが彩った空間は、大人の遊び場として刺激を与えてくれる。
新旧の文化が渾然と一体になり、浜町や兜町を中心に進化を続けている日本橋エリアだが、近頃また人の流れが変わりつつあるのが小伝馬町周辺だ。かつてのニューヨークのブルックリンやロンドンのショーディッチもそうだったが、クリエーターたちが西から東へ集まってきており、空間づくりやプレゼンテーションにこだわったショップやグルメスポットがどんどん生まれている。そのエリアのカルチャーのハブのひとつとして誕生するのが、アートホテル「BnA_WALL」だ。
古いオフィスビルが並ぶ小伝馬町の景観になじむ建物は、かつて西陣織の商社のビルをそのまま活かしたもの。店内に足を踏み入れるとただアートが展示されているというよりは、床や壁、天井の形や素材など、空間全体がアートとして成立しており、どこか異空間にトリップした気分を味わえる。
それだけではなく、宿泊者以外も利用可能なバーを併設したロビーラウンジには、定期的に塗り替えられる大型壁画「WALL」を、地下にはアーティストが工房として活用できる「Factory」を開設することで、普段は覗くことができないアートが生まれる瞬間に立ち会うことができるのも、同ホテルならではの魅力である。古い建物のもち味を活かしたリノベーションはこのエリアで今や定番になりつつあるが、クリエーターによる先進的なアイディアとオーセンティックの摩擦が、新しいカルチャーが生まれることを予見させてくれる。
同ホテルに泊まる醍醐味は、YOSHIROTTENやカワムラユキなど東京を象徴する気鋭アーティストによる客室ごと「宿泊型アート作品」を体験できるところにある。どの客室もアーティスト自らがいちからが制作しているため、部屋ごとにまったくテイストが異なるのが特徴だ。宿泊すると部屋のクリエーションへ理解を深めるために、美術館のようにナレーションが用意されているという。そんな宿泊型アート作品は全23作品。部屋に込められた作者の思想に想いを巡らせて妄想するのも楽しいだろう。
日本国内の旅行が推奨されるようになってから半年以上経ち、リフレッシュや癒しを目的とした東京のホテルステイが多いなか、「BnA_WALL」に宿泊すると得られる体験はその逆だといえる。脳を休めるのではなくアクティブに活性化させることで、自分のなかに何か新しい化学反応をもたらすことができる。そして、そんな場所に身を置くことで、以前は海外旅行に求めていた刺激を超えた経験を得られるかもしれない。
※緊急事態宣言の延長に伴い、開業日を4月2日(金)に延長。
住所: | 〒103-0011 東京都中央区日本橋大伝馬町1−1 |
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電話番号: | 03-5962-3958 |
公式WEB: | https://bnawall.com/ |
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