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HOME TOPICS CULTURE 漫画で描いた”職人の物語“。新版『エルメスの道』でメゾンの矜持に触れる
漫画で描いた”職人の物語“。新版『エルメスの道』でメゾンの矜持に触れる

漫画で描いた”職人の物語“。新版『エルメスの道』でメゾンの矜持に触れる

2月28日(日)の「エルメス 表参道店」オープンの際、漫画家・竹宮惠子とグラフィックアーティスト・YOSHIROTTENによる印象的なキービジュアルを目にした人は多いだろう。メゾンと竹宮惠子の歴史は意外にも長く、1997年にまで遡る。当時の社長、ジャン=ルイ・デュマからの依頼で、彼女が漫画による社史『エルメスの道』を描き上げたのだ。それから24年。旧版の物語に続く直近20余年のあゆみが、この度63ページに渡って描き下ろされた。いつの時代も一流のサヴォワフェールをもって人々の期待に応えてきたメゾンの歴史は、モードラバーならずとも感銘を受けずにはいられない。

新たに描かれた3つのストーリー

1837年に馬具工房として創業したエルメス。160年余りの歴史を詳細に漫画で描いたものが『エルメスの道』だ。それまで社史を刊行したことがなかったにもかかわらず、なぜ最初に“漫画”という手法を取ったのか。理由は、日本文化に感銘を受けた当時の社長ジャン=ルイ・デュマが、メゾンの歴史や価値観を広く一般に広めるためにこの表現方法に注目したためだ。
そこで白羽の矢が立ったのが、日頃から乗馬をたしなみ、馬体や馬術競技にも知識のある漫画家の竹宮惠子。エルメスが、創業以来、大切にしている卓越した職人技に感銘を受け、この大仕事に取り組んだ。

ⓒ2021 Keiko TAKEMIYA
新版『エルメスの道』中央公論新社
ⓒ2021 Keiko TAKEMIYA
新版『エルメスの道』中央公論新社
ⓒ2021 Keiko TAKEMIYA
新版『エルメスの道』中央公論新社

それから24年の時を経て、新たに描かれたのは3つのストーリー。1つ目はフランス国外においてはじめて計画された2001年完成の《銀座メゾン》をめぐる物語だ。人を魅了してやまないガラスブロックのファサードがいかにして出来上がったのかが語られる。
2つ目は2010年から始まったエルメス主催の国際馬術連盟認定CSI5*レベルの障害飛越競技大会 《ソー・エルメス》について。この催しは、メゾンのルーツに立ち返り、馬のたぐいまれなる能力をパリの中心地にある展覧会場「グランパレ」で披露するというもの。これまで公には明かされていなかった開催に至るまでの経緯にスポットライトが当てられる。
3つ目は創造的なプロダクト《petit h(プティ アッシュ)》の誕生秘話。素材を余すことなく使い、機能と遊び心を兼ね備えたオブジェを作り出す。そのコンセプトはどのように生まれたのかが詳細に紡がれる。
これらは創業者ファミリー、卓越した職人たち、そしてエルメスの歴史に携わってきたたくさんの人々による絆の物語「ヒューマン・オデッセイ」の側面も持つ。そんな壮大な叙事詩を美しくリアルなビジュアルで描ききった新版『エルメスの道』は、現在、全国書店および表参道店にて販売中。また公式HPにてデジタル配信もスタートした。過去から未来へと続く旅路は、エルメスファンのみならず、全ての働く人にとって含蓄に富んだ内容になっている。ぜひ一度手に取ってみることをおすすめしたい。

画像:ⓒ2021 Hermès Japon co., ltd.