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HOME SPECIAL 今日を愉しむモノゴト 劇場で堪能すべし!SNS時代の珠玉のミュージカル映画『ディア・エヴァン・ハンセン』
劇場で堪能すべし!SNS時代の珠玉のミュージカル映画『ディア・エヴァン・ハンセン』

VOL.86 劇場で堪能すべし!SNS時代の珠玉のミュージカル映画『ディア・エヴァン・ハンセン』

ブロードウェイで大人気のミュージカルが待望の映画化。すべての“孤独”を抱える現代人へ向けた、観終わったあと周りに優しくなれる映画といえるだろう。珠玉の名曲の数々や、俳優陣の細やかな表現を堪能してほしい本作は、配信を待たずに劇場で観るのが正解だ。

主人公は、高校生のエヴァン・ハンセン。社会不安症でうまく話せないためか、友達はおらず、唯一の家族である母親ともうまくコミュニケーションできない。……と、設定はかなり地味めの青春映画のようなのだが、ミュージカル化され、ブロードウェイでは空前の大ヒット作となった。演劇界最高のトニー賞、音楽界最高のグラミー賞、テレビ界最高のエミー賞など数々のアワードを受賞した大人気ミュージカルを待望の映画化したのが本作だ。

映画『ディア・エヴァン・ハンセン』

主人公のエヴァン・ハンセンを演じるのは、なんとミュージカル版でも主演を演じたベン・プラット。さすがブロードウェイ俳優といいたくなるくらい、確かな歌唱力や表現力に圧倒されるだろう。そう、本作はストーリーとともにその珠玉の名曲の数々を堪能してほしい作品なのだ。

映画『ディア・エヴァン・ハンセン』

さて、肝心のストーリーはというと、日常に不安や孤独を抱えるエヴァン・ハンセンが、セラピーの一環で自分宛に手紙を書くことから始まる。
その手紙が間違って人の手に渡ってしまったことから、心優しいエヴァンは思いやりのために嘘をついてしまう。そして、そのたったひとつの小さな嘘を守るために、エヴァンは嘘を重ねていくことになるのだ。

映画『ディア・エヴァン・ハンセン』

エヴァンは嘘の世界に生きながらも、多くの人の前で演説する機会を得、彼の発言は注目を浴びることになる。このシーンは本作最大の見どころといえるだろう。

ピュアで無垢なエヴァンの言葉は、とてもストレート。ともすれば説教じみてしまうような内容も、言葉の間合いや、震えながら言葉を発するエヴァンだからこそ、観ているものの心を衝く。孤独を知り尽くしているエヴァンだからこそ、孤独を抱えている人々が欲しい言葉を知っているのだ。エヴァンのスピーチを聞いた人々は感動し、孤独を抱えながら生きている世界中の人々の共感を呼ぶ。スクリーンを通して観る私たちは、この共感や感動が広がっていく様子も含めて感動するのだ。本作を象徴する名曲『You Will Be Found(ユー・ウィル・ビー・ファウンド)』は、涙なしでは観られないだろう。

映画『ディア・エヴァン・ハンセン』

本作品の徹底したメッセージは現代に生きるすべての人のためのものだ。高校生じゃなくても、うつを抱えてなくても、友達がいても、恋人がいても、孤独感と無縁な現代人なんていない。
「あなたはひとりじゃない」なんてストレートなメッセージ、面と向かって言われたら目を背けてしまいそうだが、音楽に乗せるとじんわりと心に届くから不思議だ。ストレートな歌詞とエモーショナルなメロディを届けてくれるのは、『ラ・ラ・ランド』(2016)、『グレイテスト・ショーマン』(2017)の音楽チーム。観賞後は第64回グラミー賞にノミネートされたことでも話題沸騰のサントラを入手したくなるだろう。

ブロードウェイの舞台でも、エヴァンの細かい表情や呼吸などの表現は観られない。大きな画面でアップになるからこそ演者の表現がクリアに鑑賞できる映画版は、より強くメッセージ性が伝わる。エヴァン・ハンセンの世界を理解し尽くしたベン・プラットの細かい表現力、そして名曲の数々を堪能するなら、大きなスクリーンと大音量で音楽が楽しめる劇場で観るべし。心震わすミュージカルに、感涙必至だ。
製作陣が私たちに届けたかったメッセージは、エンドロールの最後にも出てくるのでぜひ最後まで観てほしい。

『ディア・エヴァン・ハンセン』は11月26日(金)より全国にて公開。

映画『ディア・エヴァン・ハンセン』

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