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ひとり参加推奨!「スパイスカレーの晩餐会」が教えてくれる食卓を囲む愉しい夜

ひとり参加推奨!「スパイスカレーの晩餐会」が教えてくれる食卓を囲む愉しい夜

「食卓はコミュニケーションの場」という言葉があるが、食事のスタイルが多様化するいま、きちんと時間をつくって人と交流しながらご飯を食べることは貴重である。コロナ禍以降、久しく遠のいていた新しい出会いや初めましての人と食卓をともにすることを体験できるのが「6curry」が主催する「スパイスカレーの晩餐会」だ。いつものメンバーと違う顔ぶれで食卓を愉しみ、ひとり食事に慣れてしまった人にも改めて、誰かと食卓を囲む素晴らしさを実感する貴重な機会となるだろう。

東京・渋谷と恵比寿で会員制&招待制のコミュニティキッチンを運営している「6curry」。以前から、Harumari TOKYOでも彼らの取り組みをフィーチャーしてきたように(https://harumari.tokyo/11911/)、この場所はただおいしいものを楽しむ一般的なレストランとはひと味違う。「EXPERIENCE THE MIX.」をコンセプトに、そこを訪れた人が自然と混ざりあうことで、同士がどんどん集まってくるような仕組みづくりを行なっている。その取り組みのひとつとして今年の秋にスタートしたのが、「スパイスカレーの晩餐会」だ。カレーがきっかけでその場に偶然集合した人たちと一緒にテーブルを囲み、約2時間のコース料理を味わうイベントだ。新しい人との出会いやアイディアとの出会いを求めて恵比寿で行われた晩餐会に参加した。その一夜の様子をお届けしよう。

晩餐会の司会進行をつとめるのは「6curry」のAYAさん。最初に晩餐会のコンセプトや本日のメニューについての解説をしてもらう。また一緒にこの日のシェフを務めるEIJIさんが登場し、料理を通して人と人をつなげることを大切にしながらメニューを手がけていることを聞いた。初めましての人が同じ空間に集っているにもかかわらず、彼らの心地よいおもてなしによって徐々に場の空気が和んでいく。

さて、コース料理の1品目は「マロンポタージュ」だ。味わいながら食べていると、「マロンポタージュ」に使われているスパイスは何か、と目の前に置かれたスパイスを使ってクイズがスタートする。そのクイズを通して隣の席の人と意見を交換するというお題が与えられるのだ。

実は今回の晩餐会に筆者は1人で参加した。公式noteによれば“1人で参加する人も多い”とのことだが、知り合いがいなくても楽しめることがこの晩餐の醍醐味。AYAさんの進行のもと初対面の人同士でも会話のきっかけをくれるのでここからスムーズに会話ができるようになる。自分から話しかけるのが苦手な人でも、少しずつ場の空気に馴染めるはずだ。

こうして隣の人との会話のきっかけが与えられたことにより、お店のなかがさまざまな会話で賑わいだした。今回となりに座っていた女性は、なんと関西からこの日のために東京へ来たとのこと。コーヒーを淹れることが趣味で、次の日は都内の有名店をまわると楽しそうに語っていた。

はじめて会ったばかりということで質問がどんどん頭のなかに浮かび、正直、コース料理を食べながら話をすることが難しいほど。どの席も同じように会話で盛り上がったところで、自己紹介タイムが始まる。

円卓の端に座っている人から、名前と最近ハマっていることを順番に話していく。その自己紹介を聞いてAYAさんが指名した人が質問をするというものだ。ここまでは、隣に座っている人同士での会話しかなかったが、ここにきて食卓を囲む全員で会話をする流れに変わる。

つまり、晩餐会でありながらAYAさんがファシリテーターのような役割を果たしてくれるのでさながら交流会だ。
それぞれの自己紹介を聞いて思ったのは、韓国アイドルの追っかけをしている人や筋トレにハマっている人、仕事柄高級インテリアを調べるのが好きな人など、多趣味な参加者が多いことだ。そして好きなことを追求しているため、楽しそうに話してくれる。聞いているだけでも飽きないが、話に惹き込まれてどんどん質問したくなる。
「6curryの晩餐会」に興味を持って集まってきているメンバーだけあり、この場の一期一会を楽しもうというスタンスの参加者が多い。好奇心旺盛で“おいしいモノ”が好き……。そんな共通項が、初対面同士でもすぐに打ち解けられる鍵になっているといえるだろう。

自己紹介がひと通り終わると、隣の席の人のまた違った一面を知れてさらに話のネタが広がる。筆者の隣に座っていた方は建築の仕事をしている方で、ピエール・ジャンヌレの話で盛り上がった。

会話の一方でシェフ・EIJIIさんの料理も次々と運ばれてくる。なかでも印象的だったのはこの日のメインディッシュ、ダチョウの肉だ。シカやイノシシは食べたことがある筆者も、ダチョウの肉を食べるのは初めてだったため衝撃的だった。味は、鴨と馬肉の中間のような感じですごく柔らかく臭みがない。AYAさんによると、少ないエサで大きく育つダチョウは環境負荷の低い肉として注目されているとのこと。このようなまだ知られていないおいしい食材に出会えるのもこの晩餐会の大きな魅力だといえる。

コース料理を食べ進めていくなかで、途中で席替えタイムが入る。正直、隣の人とはまだまだ話し足りないぐらいだったが、AYAさんの誘導のもと違う席へ移動する。おいしい料理と楽しい会話でテンションが上がっていることもあり、隣に座った新しい人ともすぐに打ち解けることができた。

隣になったのはまたしても関西からきたという方。地元グルメについてなど話に花が咲いた。
さまざまな人と話をしてコース料理を食べながら気づいたのは、なんといってもこの場にいる全員が“今、ここで、同じものを食べている”というライブ体験を共有しているということだ。「これは何でできているのだろう?」「その飲み物は何?」のような会話はもちろん、食材の由来や生産者の想いなどを聞き、笑いあう。共通の趣味がなくても、住んでいる街が違っても、今この場所では「晩餐会」という共通のものを味わっているのだ。おそらくこのメンバーで食卓を囲むのは最初で最後。ちなみに、締めのカレーも季節やコースによって変わるメニューだそう。ゲストも料理もまさに一夜限りの一期一会なのだ。

行く前はひとりでコース料理を食べに行くということを若干不安に思っていたが、ひとりで行っても帰りはひとりにはならなかった。新しく出会った人としっかりLINEも交換し帰った後もやりとりは続いている。思えばコロナ禍以降、外食することが減り、偶然の出会いはなくなっていたし、他人と食卓を囲むこと自体が減っていた。改めて「おいしい」には人を呼ぶチカラがあり、それは新しい出会いや価値観を生んでいくということを実感させてくれた「スパイスカレーの晩餐会」。そういう点でも「6curry」は食だけに留まらない、新たな価値を提供してくれる。

最後に「6curry」の「スパイスカレーの晩餐会」は、一度だけの取材ではその魅力を味わい尽くせないとも感じた。これは何度も通ってスタッフの方とも仲良くなりながら交流していくことにも意味がある。ゆえに再び訪れたいと思った。おいしい料理はもちろん、人との交流や新しい趣味を見つけるのに「6curry」は最適なスポットだ。

取材協力:6curry
https://6curry.com