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東京・夜こそ行きたいカフェ事情

飲みに行った帰りや時間つぶしでなく、敢えて、夜こそ、「カフェに行く」予定を入れたい。そんな魅力的なお店が東京に増殖中。さぁ、夜カフェしに、わざわざ、出かけましょう。

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週末23時30分。魔法のように現れるカフェで絶品チェリーパイを

DARK CHERRY CAFE(ダークチェリーカフェ)

「今週もお疲れ!」」仕事を終えた金曜日の夜。オフィスの戦友たちや気のおけない友人たちとご飯をして、ふと時計を見ると時刻は23時。なんだかまだ家には帰りたくない。ちょうどそんなタイミングで、新宿三丁目に魔法のように現れるカフェがある。

真夜中に美味しいコーヒーが飲めるカフェ

JR新宿駅からも徒歩圏内でアクセス良好。こちらは週末(金土)の夜23:30からしかOPENしないという特別感のあるカフェ。しかも居酒屋がカフェに変身するという。カフェから居酒屋やバーに変わるというのは聞いたことがあるが、逆はあまり目にしない。なぜこのような形態になったのだろうか?
「もともと僕自身がお酒を飲んだ後にシメとしてコーヒーを飲みたいと思っていて。それも自宅ではなく、どこか外で飲みたいと。さらにどうせ飲むなら美味しいものを飲みたい。けど真夜中に気の利いたコーヒーを飲めるところって少ないんですよね。それならば自分でやっちゃおう!というところからスタートしています。」(オーナーのDQRさん)
なるほど確かに本格的なコーヒーをそれも深い時間に堪能できる場所は多くない。

飲み仲間の居酒屋オーナーから場所を拝借?

「DARK CHERRY CAFEの母体となっているのは『食酒処 桃』という居酒屋なんですが、ここのオーナーと飲み仲間で。居酒屋の営業が終わった後、夜中にちょっと場所貸してくれない?いいよ!の感じではじめました。」(DQRさん)
食酒処 桃の営業は24時まで。週末はそこからDARK CHERRY CAFEへ切り替わるので、居酒屋にいるお客さんがそのままカフェで過ごすということも少なくないという。もちろん、2軒目3軒目として訪れる人も多い。

「『食酒処 桃』という居酒屋がベースになっているので、最初に店の名前を決めるときに“桃”は使いたくて。そこで思い浮かんだのが桜に桃と書いて“桜桃”(さくらんぼ)、夜中にオープンするので夜をつけて“夜桜桃”、そこからDARK CHERRY CAFEになりました。」
お店全体のプロデュースは全てDQRさんが行なっているそうで、スタイリッシュなさくらんぼが描かれた店のロゴをはじめ、オリジナルグッズのデザインも手がけ、これも人気だそう。このカフェが営業している時以外はアパレル関係の仕事をしているというDQRさんのセンスを随所にビシビシと感じる。

軽やかに食べられる甘酸っぱいチェリーパイ&コーヒー

店名の“ダークチェリー”をモチーフに、これを使ったメニューを作ろうとオープン時決めたそうで、看板メニューは「ダークチェリーパイ」(¥1,000 税別)。
元パティシエというシェフが焼くチェリーパイは薄めのパイ生地にカスタードフィリングとごろっとしたダークチェリーが入り、断面を見るとプリンのような見た目。イメージしていたジャムががっつり入っているものとは一線を画する。
レシピも考案したDQRさんいわく、シメとして食べても重たくないように考えられているとあって口に運んだ途端にとろけてなくなってしまう軽やかさ。
しかも「チェリーパイ」という言葉の響きは昔のアメリカ映画みたいで、なんだか幸せな余韻をくれる。

生豆から焙煎してくれるというコーヒー豆ショップから仕入れているというこだわりのコーヒーもコクがありすぎず、すっと胃に染み渡っていく。ちなみにコーヒーとスウィーツはセット(¥1,500 税別)もあり、深夜でも気軽に夜ケーキ、夜コーヒーを楽しんでもらいたいという願いが込められている。

現実から離れ、各々が好きな時間を過ごす深夜のカフェ

ゆったり過ごせるグループ向けの席からカウンターまで、過ごす人数は千差万別。お一人様で訪れ、ゆっくりと本や雑誌を読む人もいるという。
フォーやピザなどのご飯メニューや簡単なおつまみも用意されているのでご飯を食べるもよし。お酒を飲むもよし。ここに強制はなく、来た人が自由に過ごし、自由に飲みたいもの、食べたいものを選ぶ。
暗めに設定された照明の店内は「明るいと現実に戻っちゃうでしょ?」という気遣いからだ。

チェーン店などの妙にライトが明るい店では週末の解放感から一気にリアルに引き戻される可能性がある。DARK CHERRY CAFEの閉店時間は28:00。たまには始発間際まで現実から離れ、ゆったりと過ごしてもバチはあたらないだろう。

週末真夜中、自分を労う、ショートエスケープ時間をあなたに。

 

取材・文=森田文菜

撮影=きくちよしみ