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東京・夜こそ行きたいカフェ事情

飲みに行った帰りや時間つぶしでなく、敢えて、夜こそ、「カフェに行く」予定を入れたい。そんな魅力的なお店が東京に増殖中。さぁ、夜カフェしに、わざわざ、出かけましょう。

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銀座の深夜のカフェごはんは、背徳の「カツサンド」

KATSU THE HAMILTON(カツザハミルトン)

身も心もクタクタになった残業後。今夜は手っ取り早くお腹を満たしたい。だけどやっているお店はガヤガヤする居酒屋か、ムードのないファミレスばかり。こんな時にひとりででも気軽に立ち寄れて、お腹も満たせる、心地よさも得られるような場所が欲しい。

そんな願いを叶えてくれる、夜からオープンするとっておきのカフェバーがある。

若者で華やぐ銀座・コリドー街を新橋方面へ。男女が入り混じる賑やかな雰囲気から少し離れ、しっとりとした落ち着いた空気の流れる中におしゃれなネオンが目印の「KATSU THE HAMILTON」が今宵の立ち寄り場所。

系列店の評判メニューから生まれた店舗

ほどよい暗さと広さの店内にはゆったりとしたジャジーな音楽が流れる。シルバーのテーブルがスタイリッシュなカウンターに腰掛け、まるで洋書のような洒落たメニューをパラリめくるとはじめに飛び込んできた“カツサンド”の文字。そう。店名から薄々お気づきかもしれないが、ここの名物はカツサンド。

元々は系列店のバーのメニューにあり、その評判がよかったことからカツサンドメインのカフェを!という経緯で「KATSU THE HAMILTON」が誕生したらしい。

ご飯に、シメに。夜が更けるにしたがって客が集まる。

カツサンド…か。サンドイッチというと軽食やランチのイメージだ。果たしてお腹が満たせるのだろうか?

という疑念を抱きつつ、注文。カツを揚げてもらっている間にカウンター前でドリンクを作っている店長にどんな人が訪れるのか聞いてみた。

「17時からオープンしているんですが、21時くらいまではお酒の飲める人も飲めない人も夜ご飯的に来て、カツサンドを食べる人が多いですね。21時以降は飲んだ後に2軒目、3軒目の店として来て、シメでカツサンドを食べる人が多いです。」(店長)

時間帯によって客の求めるものが違うというのは面白い。お酒の後にカツサンドって…未だかつて聞いたことがない。期待大。

「平日の閉店は夜中の3時半なんですけど、周りの店は23時閉店が多くて、深夜に近づくにつれてお店が賑わう傾向にあります。終電前の駆け込みで入店する人も多いですね。」(店長)

夜遅くに食べたいカツサンドって一体どんなものなんだ…!ますます胸の高まりを抑えられない。

深夜でもわざわざ食べたい。納得のカツサンド

カツザハミルトン名物・カツサンド 2,160円(税込)

と、気さくな店長と会話をしている間に運ばれてきたものをみて絶句。メイン料理さながらの肉の主張!揚げ具合にもっともこだわっていると自信を見せる、絶妙なレア加減。和牛のように程よくサシが入っている豚肉は100頭におよそ3~5頭しか取れないという北海道のかみこみ豚。ロースだが、余計な脂身もなく、ヒレ肉のようにヘルシーだ。

肉を覆う衣は超極薄。米油を使用しているため、油独特のにおいがない。なるほど確かに揚げ物を扱う店なのに、油っぽいにおいがしない秘密はここにあったようだ。

カツをはさむパンは某有名ホテルのレストランでも出されている食パン。ふわふわもちもちで食感はもちろん、触感も楽しませてくれる。

「お肉の方をメインに食べてもらいたい」と願う店のこだわりの集大成はサンドイッチであるのにメイン料理のようにいただけるという側面もあり、揚げ物であるのに胃もたれせず、サラサラとお茶漬けのようにいただけるというシメの側面もある。単なる軽食にとどまらず、立派なメインであり、シメであり、いろんな顔を持つ、一度食べた人間を虜にする“なぜだか無性にあそこのあれが食べたい”的魅力があるカツサンドだ。深夜にカツをいただくなんていう後ろめたさも合間って、わざわざ深夜に、終電前に、飛び込んででも訪れたくなってしまうのだ。

 

一口ごとにジューシーに広がる肉の旨味と共に、今日一日の疲れもどこかに散らばっていくように感じる。お腹だけでなく、ココロも満たしてくれるカツサンド。

これは夜遅くにわざわざゆっくり向き合うべきもの!

明日への活力をここで取り戻し、それぞれの帰路につこう。

 

取材・文=森田文菜
撮影=きくちよしみ