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2019.10.7

同じ目的をもってゆるく集まる。「大人の部活」が生み出す幸せなつながりの時間

BUKATSUDO(ブカツドウ)

「大人の部活が生まれる、これからの街のシェアスペース」をコンセプトに誕生した大人のためのシェアスペース「BUKATSUDO」。開設から5年経った今、そこには、まさにこれからの私たちに必要な「つながりの場」があった。

大人のためのシェアスペースで、あの頃の熱中を再び

「部活」というとどんなイメージを思い浮かべるだろうか?夏休みそっちのけで練習に明け暮れたハードな思い出、あるいは、好きなことで集まってわいわい語らった楽しい思い出、いろいろあるけれど、同じ目的を下に集まった仲間たちと過ごす時間はかけがえのない体験だったのではないかと思う。
そんな部活の良さを、大人なった今こそ体験出来るシェアスペースが「BUKATSUDO」だ。

「BUKATSUDO」は、下北沢B&Bを手がけるNUMABOOKSの内沼晋太郎、グルーヴィジョンズの原徹、丸の内朝大学でグッドデザイン賞を受賞したumari inc.の古田秘馬らシェアスペースの第一人者たちが携わり、2014年に横浜・みなとみらいに誕生した。
ここには、かつての部活のような濃密な時間と、大人たちが本当に居心地よく過ごすための洗練されたコミュニティがあるのだ。

川島史/BUKATSUDOマネージャー

「BUKATSUDO」を運営しているリビタは、リノベーション会社。シェアハウスを企画・運営する実績も多く、その中で見えた現象があったと、BUKATSUDOマネージャー・川島史さんは言う。

「シェアハウスの共有部分で、入居者のコミュニティが生まれることが多くありました。たとえばカメラマンが入居していたら、自主的に撮影講座が開かれるようになって、まるで部活みたいな盛り上がりを見せるように。アクティビティ起点に繋がりができるのを目の当たりにしたとき、日常の楽しみをより豊かにできて、いろいろな人が集まれる、大人のための拠点をつくれないかと思い、ここの構想が生まれました。部活のように自由な場にしたいということで、名称も『BUKATSUDO』に」。

「BUKATSUDO」がある場所は、元々国の重要文化財であるドックヤードガーデンを残すために作られた商業区画。横浜は開港以来、国内外の人々の交流を体現してきた街であり、人が繋がる場としての風土と文化を土壌にして発展したのが「BUKATSUDO」というプロジェクトなのだ。

オープンから5年目を迎えた「BUKATSUDO」には、現在15の部活が存在する。餃子部や鍋部、ビール部など親しみやすいものをはじめ、昭和文化研究部、リトウ部、レコード部などカルチャー感の強いものなど、その種類はさまざま。

活動は、施設内にあるレンタルスペースで行われる。キッチンやDJブース、スタジオなど、さまざまなアクティビティに対応する大きめのレンタルスペースと年間契約が可能なBUSHITSUが主な活動場所だ。

「部活には、決まった申し込み方法はなく、定期的に開催しているイベントに参加するだけ。事前に予約するものもあれば、フラッと立ち寄った際に参加できるものも」(川島さん)

同じ場所で、複数の部活やイベントが行われるから、ひとつに縛られることなく、隣にある部活にもふらっと立ち寄ることができる。逆に、自分の選択次第では、ひとつに熱中することもできる。自分で距離感が選べるのも、大人ためのシェアスペース「BUKATSUDO」だからこそ。

参加者の多くには共通点があると、川島さんが続ける。
「いろいろな人とのコミュニケーションを楽しんでいる人が多いですね。あとは行動力がある。部員の年齢層は幅広くて、20代後半から仕事がひと段落ついた世代を中心に、70〜80代の人もいるのですが、みなさん平日の夜に時間を作っていらっしゃったり、部活を掛け持ちしていたり。日常生活のなかに楽しみを見つけたいと、足を運んでくれています」。

過去5年間の利用者数は、約137,000人。リピーター率も高い。それほど多くの人が、「BUKATSUDO」に惹かれる理由のひとつは、専門的知識が必要ないことも大きい。

「餃子部も鍋部も、だれでも食べたことがある人がほとんどですよね。どちらも食材を切って、焼いて、煮込んで、乾杯するだけ。このように敷居の低い部活の参加をきっかけに『BUKATSUDO』の活動に慣れてきた人たちは、昭和文化研究部やレコード部など、魅力を語り合ったり、愛でたりするちょっとマニアな部活へ行く人も多い。やっぱり部活と一緒で、同じ目的を持っていると、心の距離も近づきやすくなるみたいです」。

参加者には、行動力と主体性を持ってイベントを率先して企画する人とそうでない人もいる。後者はいつのまにかその場所の雰囲気に釣られて、楽しくなり、知らず知らずのうちに、輪が広がっていく。学校のような閉鎖的なコミュニティとは違う、大人になった今だから作れる仲間との絶妙な距離感がここにはあった。「BUKATSUDO」は、新しい発見や新しい仲間との繋がりが生まれる魅力的な場所としてこれからも成長していくのだろう。