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渋カフェめぐり in 中目黒&代官山

雰囲気のいいカフェは沢山あるけれど、雰囲気だけに流されている自分に我に返ることもある。コーヒー・空間・ホスピタリティ。作り手たちのこだわりに溢れた“渋い!”カフェを見つければ、カフェがもっと好きになる。

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「コーヒー好きを育てる」ブルーボトルコーヒーが中目黒にやってきた理由

ブルーボトルコーヒー 中目黒カフェ

ブルーボトルコーヒーは、2015年の日本上陸時からいまもサードウェーブのシンボル的存在。コーヒーはもちろん店舗設計にもこだわるブルーボトルが国内5店舗目に選んだのは、コーヒーの街、中目黒だった。

カフェと、トレーニングルームと、イベントスペースと。

人気の理由は決して話題性だけではない。高品質な豆の個性を最大限に引き出した、圧倒的なおいしさ。その味を生むために“川上”である農園から、“川下”の抽出や器にまでこだわり尽くすフィロソフィー。もちろん、それは中目黒カフェにも息づいている。

「ブルーボトルコーヒー中目黒カフェ」は国内5店舗目。2016年の10月、この地にオープンした。駅から祐天寺方面へ駒沢通り沿いを進み、坂を上って少し歩いたところにある。

大きな斜めの屋根が印象的な、3階建ての白い建物。日中は陽光がたっぷり注ぎ込む、ガラス張りの大きなファサード。1階の天井は高く、しかも2階の床の一部はガラス張りになっている。系列店に行ったことがある人ならわかるだろう。このすがすがしい開放感が、同店の魅力のひとつだ。

店内の設計も面白い。バリスタが働くカウンターの後ろに見える中2階は、新しく入社したバリスタ達がトレーニングを受けるトレーニングルームになっている。また、ドリップカウンターの横から、その裏側へ行けるようになっており、広い半地下の客席に繋がる階段がある。

半地下の客席は、ゆとりをもたせた造り。ここでコーヒーに関するセミナーや、イベント等も定期的に開催している。

中目黒カフェはコーヒー好きを育てる場所に

「ブルーボトルコーヒー」の日本1号店は清澄白河に誕生した。その理由は、静かでゆったりとした空気が流れており、道が広く、また高い建物が無く、空が見渡せるような、そんな街の空気が米国創業地・オークランドに似ていたからだという。

その1号店は、大きな焙煎機を設置するために倉庫だった建物が選ばれている。この中目黒の店舗も、清澄白河を彷彿とさせるようなボリューム感だ。なぜこのような空間に、そして中目黒に出店したのだろう。店長であるカフェリーダーの鈴木理恵さんに聞いた。

鈴木理恵さん(ブルーボトルコーヒー 中目黒カフェ カフェリーダー)

「中目黒カフェには、コーヒーが好きな方を育てる場所に、という想いが込められています。そのため、トレーニングルームやセミナー等が行える広さがある場所である事が、設計の必須条件でした。それにぴったり当てはまる建物だったんです」(鈴木さん)

元々は電機関係の工場だったという。見れば、頑丈な鉄柱や配管など、あえて以前のまま残している箇所も。木材や緑のやわらかさと、インダストリーな武骨さ。絶妙な調和が、独特の“らしさ”を醸し出している。

ブルーボトルコーヒーは、元々ジャズのクラリネット奏者だったファウンダーが、日本の喫茶文化に魅了されて、参考にしたことでも知られている。メニューが木板に書かれているのは、日本の焼き鳥店でよく見るお品書きからヒントを得たそう。

「中目黒はおしゃれな飲食店やアパレルショップがあったりする一方、昔ながらの商店街があったり、小学校や幼稚園があったりと、様々な顔を持った面白い街です。当店は中目黒の駅から少し外れた住宅街にありますが、コーヒー好きの人がわざわざ出向いてくれるような場所にしたかったこと、そして地域の方々にも愛されるお店にしたかったという理由で、この場所に出店しました。

オープンして2年目を迎えましたが、今では毎週末ご家族でゆったりと過ごされる地域の方から中目黒の町歩きを目的に来た観光客の方まで、様々な目的を持ったお客様に日々ご来店して頂いております。」

同一レシピで抽出し、常に理想の味を提供

コーヒーにはドリップとエスプレッソなどがあり、ドリップコーヒーは、豆をブレンドとシングルオリジンから選べる。特に豆の個性を感じられるのが、単一品種である後者。持ち味を生かすために浅煎りでローストされ、上品な酸味やフルーティな余韻を豊かに感じられる。

「ブルーボトルコーヒーは、一貫性を持った美味しさでお客様にコーヒーをご提供することにこだわりを持っています。どの店舗にいっても、私たちが考える美味しいコーヒーをいつもご提供できるよう、扱う豆のグラム数、お湯の温度、蒸らす秒数、抽出する秒数など、レシピを定め、統一しています。感覚的なものだけに頼らず、数値化する事で味に一貫性を持たせています。」

acaiaデジタルスケール 定価21,800円(税抜)

器具も徹底追及。湯量や時間を正確に測るために、acaia製デジタルスケールを採用。ドリッパーに関しては5年以上かけてオリジナルで企画開発し、有田焼にたどり着いた。窯元に特注したものを、アメリカでも採用している。

オリジナルのドリッパーは2,300円(税込)

「ご家庭でも、ブルーボトルコーヒー体験を楽しんで頂けるよう、お店で扱っているオリジナルのドリッパー、そしてスケールも販売しております。

当店は賑やかな駅前からは少し離れた住宅街にありますが、その分ゆったりとした時間を過ごすことが出来るカフェです。地域の方や中目黒の街歩きに来られた方々にも、開放感ある店内で、私たちの美味しいコーヒーを楽しんでいただきたいです。スタッフも気さくなので、コーヒーについて聞きたいことがあれば、気軽に話しかけてみてください。」

焼きたてを提供する人気の「リエージュワッフル」(500円 税抜)をはじめフードも多彩

複数の店舗がありながらも、一貫性を持った美味しさを提供する事にこだわりを持つブルーボトルコーヒー。他の店舗に行ったことがある方も、開放感あふれる空間の中目黒カフェを、ぜひ訪れてみてほしい。

取材・文:中山秀明
撮影:濱田晋