美術館などがネットでギャラリーを公開することが増えるなか、今の状況を逆手にとった展覧会「おんらいん大作戦」が開催されている。4月12日までの期間限定で、東京と海外の7つのギャラリーが共同で、オンライン上で映像作品を上映する。
「おんらいん大作戦」はもともと、東京にあるギャラリー・無人島プロダクションがホストとなり、海外のギャラリーの展覧会を開催するイベント「温泉大作戦」だった。
同イベントが新型コロナウィルスの影響で延期となったため、「おんらいん大作戦」と名前を変えて開催。ホストとする予定だったGalerie Gregor Staiger(チューリッヒ)、Union Pacific(ロンドン)、Jan Kaps(ケルン)をはじめとする7ギャラリーと無人島プロダクションが、共同で映像作品を無料上映することとなった。
注目したいのは、作品をただ公開しているのではない点だ。渡航や移動を制限された今だからこそ、違う見方ができそうな作品をセレクトしている。

例えば、トビアス・シュピヒティヒ(ケルン・Jan Kaps)の作品は、渡航が制限された今だからこそ、仮想旅行のような気分が楽しめそうな映像といえる。ただただ氷山を映しているのだが、少しずつ見え方が変わっていくので、まるでゆったりと動く船の上から眺めているかのようだ。

また、田口行弘(無人島プロダクション)の作品は、部屋の中でひたすらボールを打ちつけるというもの。家での時間が増えた今、この映像を見ると、この状況を楽しもうとしているようにも、打ち砕きたいようにも、あるいは皮肉のようにも見えるから不思議だ。サイトには元々の作品の説明も書かれているので、自分の解釈とのギャップを感じるのも面白いかもしれない。


アーティストは他にも、シャナ・モールトン(Galerie Gregor Staiger)、土屋麗、ステファニー・シュヴァルツヴィマー(Union Pacific)、メリケ・カーラ、バイオレット・デニソン(Jan Kaps)、加藤翼(無人島プロダクション)などが参加。今後も増える可能性があるという。

無人島プロダクションは、この展覧会について以下のようにコメントしている。「フィジカルな移動ができない現状でも、映像を観ることによって皆様の想像力がさまざまなところに旅できることを願っています」。
閉塞感のある今、アート作品に没頭することで味わえる非日常感は貴重だ。映像作品を見て、今だからこそ得られる感覚を楽しんでみて欲しい。
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