外出自粛の今、世界中の美術館やアーティストがオンラインで作品を公開する動きが広がっているが、2月から休館中だった六本木の森美術館も、家で現代アートが楽しめるようなコンテンツの発信を始めた。オンラインながらも森美術館の空気を感じられる内容となっているので、森美術館のファンはもちろん、美術館に行けず残念な思いを抱えている人も、ぜひチェックしてほしい。
休館中の森美術館が今回開設したのは、オンライン版の森美術館とも呼べる「Mori Art Museum DIGITAL」。そしてこの中では現在、オンラインプログラム「Stay Home, Stay Creative(家にいながらクリエイティブ)」が公開されている。


プログラムは複数のコンテンツで構成されており、今後も増えていく。今は、新型コロナウイルス感染症の影響で開幕が延期となっている「MAMスクリーン013:ムニーラ・アル・ソルフ」の中から、作家の初期の代表作2作品を先行公開しているほか、休館により会期途中で終了となった「未来と芸術展」を3D空間で見ることができる。

さらにインスタグラムやTwitterなどの公式SNSでは、「アーティスト・クックブック by MAM」を開始。世界各地のアーティストから送られてきた料理のレシピを紹介するというもので、現在は、森美術館館長 片岡真実のレシピ「Kusama Lotus」や、ニュージーランドの現代アート作家・デイン・ミッチェルの「ムール貝の直火蒸し」などが公開中だ。デイン・ミッチェルのレシピは美しい海辺の別荘の写真とともに載せられており、現地の空気感も一緒に感じられる。今後、世界各地のアーティストがどんな写真とレシピを見せてくれるのか、非常に楽しみである。

今回のプログラムは期間限定公開だが、「Mori Art Museum DIGITAL」自体は今後も続いていく。リアルな美術館とオンラインを組み合わせた新しいアート体験を提供するというので、今後もチェックしていきたいところだ。
そんな、少し先の未来を楽しみに、まずは「Stay Home, Stay Creative, MAM@HOME」のコンテンツでアートを堪能し、想像力を刺激しよう。