メディアでよく目にする「これが体にいい」や「このサプリメントが効く」などという情報。そんな健康情報に飛びついてあれこれ手を出している人は多いものの、実際は自分の身体の状態を理解しないまま取り入れている場合が多い。そこで身につけておきたいのが、ヘルスリテラシーである。気軽に情報が入手できる時代だからこそ、判断力を高めて自分で情報を取捨選択することが今後さらに求められる。ここでは、「へるすあっぷ21」にヘルスリテラシーについてうかがうとともに、自分の身体の状態を知るための話題のカラダチェックを紹介する。
「メディアリテラシー」や「文化リテラシー」など、近年各分野で使われる「〇〇リテラシー」という言葉。「ヘルスリテラシー」は、1970年代から使われ始めた言葉で、健康情報を獲得し、理解し、評価し、活用するための知識、意欲、能力のことをさす。つまりは、自らの“健康を決める力”であり、人間が生きていくうえで備えておきたい能力のひとつだ。昨今のパンデミックもあり、オランダを中心に世界的に見ると年々注目が高まっているジャンルなのだが、日本人はヘルスリテラシーがというワードの認知が低く、国民の意識も低いとされている。長寿国で医療も充実しているのに意外な結果である。確かに、自分に処方された薬の名前や服薬目的、服用タイミングなどを答えられない人は多い。それは一体なぜなのか?
ヘルスリテラシーが世界最悪とされる理由のひとつとしてあげられるのが、かかりつけの医者がいないということ。例えば、ヘルスリテラシーが高いオランダでは、家庭医制度が当たり前にあり、ちょっとしたことでも医師に相談をしているため、医師が常に家族の病歴や事情を理解している。だからこそ、気分が優れなかったり、風邪を引いたときなど日本ならわざわざ病院に行かないようなことでも、気軽に相談できるのでちょっとした体調の変化もこまめに記録される。
さらに、ものごとをあまり批判的に考えない日本人の性質もヘルスリテラシーを下げる理由のひとつだとされる。そもそも人の脳は騙されやすい。そして、誰しも情報を読み解く際にバイアスの影響を受ける可能性があるとされる。また、人は不安な状況にあると不確実な情報を信じてしまう傾向も実証されている。特に、このような世界情勢がしばらく続くからこそ、メディアが断片的に流す情報の真偽やそれが自分に必要なのかを行動に移す前に判断し、考えることが大事だとされる。
ヘルスリテラシーを高めるために意識して行動する
ヘルスリテラシーは、その人の生命や生活の質の維持・向上のためにも必要だという。意識の低さがたたって、病気に陥ったり、受診が遅れたりして生命が脅かされることもあるそうだ。また心の病気についても同様で、病気や体調の変化を、きちんと気付けるかもカギとなる。そういう意味でも、自分のライフスタイルや価値観を踏まえて何でも気軽に相談できるかかりつけの医者を持つことで、正しい健康情報が入手しやすく、病気の早期発見にも繋がる。その際、医師にも相性があるため、かかりつけとして長く付き合っていくためにも自分にあった医者を見つけることもポイントだという。合わないと感じたら妥協せずに、何件かまわってみよう。
これを読んで少しでもヘルスリテラシーに興味をもったなら、まずは自分の健康状態を把握することからはじめてみるのが得策だ。今は病院の診断や検査でなくても、新たな方法でカラダの状態をチェックできる話題の診断がある。ここからはその代表的な3つを紹介する。
はっきりとした不調はないけれど、健康状態を定期的にチェックしたい人には、こちらの「おうちでドック」がおすすめ。在宅ヘルスチェックのニーズの高まりから生まれたアイテムで、このキットを使って数滴の血液と尿を採取して郵送するだけで、生活習慣病の最大18種類のリスクチェックが可能である。画期的な特許技術により、検査は簡単で約5分で完了。検査精度は病院で受ける人間ドックと同等の精度であるため、このコロナ禍もありなかなか診断に行けない人にもオススメだ。
しっかり寝たはずなのに疲れが取れないなど、現代人に多い、いわゆる未病の状態。「メタロン」はシンプルな器具を装着するだけで、この未病を推測することができる画期的な装置である。アーユルヴェーダや東洋医学の考えも取り入れられているため、チャクラの状態も推測できる。検査方法は、超低周波を全身に流して、臓器や染色体、以前死に至るまで細部にわたって15〜20分スキャンをする。この検査のすごいところは、身体の不調だけでなく占われたかのようにメンタルのことまで的中することがある点。検査後は、生活習慣も含めてアドバイスをもらえるので、これからの健康にも繋がるはず。
銀座にあるトレーニングスタジオ「フィジカルラボ」の身体機能測定「フィジカルドック®」が美容関係者の間で話題である。こちらは、体内の不調というよりも医科学的な身体のチェックで総合的に身体機能を測定するもの。姿勢の傾きや動き方のクセなどを分析してもらうことで、負担がかかっている部位や原因へアプローチ。これにより将来起こりうる身体の不具合も予測できるのだ。それだけでなく、結果を踏まえて自宅でも再現可能なパーソナルトレーニングも行ってもらえる。さらに後日、自宅でも続けられる動画を送ってもらえ、定期的にアフターフォローしてもらえる。自分の身体を理解できるうえに、1度行けばOKなので通わなくていいジムとしても使える。
ネットや友人からの口コミや目先の美しさに振り回されず、まずはヘルスリテラシーを高めて自分の身体を知ることがスタート。これをきっかけに、長いスパンで考えた健康的な身体づくりを意識してみよう!