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ヘアサロンに新たな選択肢。植物の力で髪と心をメンテナンスするEpo Hair Studio

ヘアサロンに新たな選択肢。植物の力で髪と心をメンテナンスするEpo Hair Studio

誰かの評価による満足感よりも“どうしたら自分が心地よいと感じるか”。内面にフォーカスして自分のスタイルをつくることが美しさにつながる。代々木公園近くにある「Epo Hair Studio(エポ ヘアスタジオ)」では、美容を自分らしい生き方の一部と捉え、ヘアデザインだけでなく植物の可能性を活かし内側から美しさを育てていく取り組みをしている。

21世紀の美容の在り方を変える

富ヶ谷の交差点から1本小道を入ったところにある「Epo Hair Studio」。ここは、ヘアアーティストのKenshinさんが主宰するヘアサロンで、サロンとしてだけでなく、店内のメニューである植物を精製するファクトリーとラボの3つの機能を備えている。

中で作業をするのが、アロマセラピストの伊藤美郷さんとスタイリストの佐藤卓さん。店内の入り口には世界各国の生産農家や、スタッフが自ら野山に入り採集を行ったハーブが積み上がっている。形状も木片や粉末、線状などとさまざまで、それぞれ蒸留するときに適した状態を検証して決めているそうだ。

エントランスをくぐると、まず美容室らしからぬアロマの香りに驚く。よくあるケミカル臭は一切なく、空間いっぱいにハーブの香りが充満し、それだけで心癒される。そしてサロンの真ん中には、スタッフが現地へ足を運んで探した植物やハーブなどを蒸留精製するための大きな窯があり、これを使ってオリジナルのエッセンシャルオイルを抽出している。また、ラボには、大量の植物や理科の実験室のような什器が並んでおり、この部屋でアロマセラピストの伊藤美郷さんが「Epo Hair Studio」のメニュー開発をはじめすべての香りを作っているという。

ファクトリーにある蒸留器を使って、ディレクターの渡辺康雄さんがエッセンシャルウォーターを抽出しているところ。

「未だに日本ではビジュアル重視なヘアサロンが一般的で、美容室のカタチはずっと変わらない。そんなカルチャーを変化させて、ヘアサロンの新たな選択肢を提案したいというヘアアーティストのKenshinの思いからプロジェクトがスタートしました。彼が仕事で世界のさまざまな地へ行くことが多かったこともあり、オーダーメイドのハーブの処方などサロンの原点はそこからインスピレーションを受けています。あとはエシカルな観点も、これからのビューティビジネスには重要。誰もが分かっていてもできているところは少ないので、サロンワークを通してそこに一石を投じたいと思っています」

スタイリストの佐藤卓さんがそういうように、「Epo Hair Studio」で展開されるメニューは普通の美容室とはかなり異なる。セラピストの資格を持つ伊藤さんによって作られた、エッセンシャルハーブを使った “生”シャンプーや、ヘッドマッサージで使用するクレイやオイル、ヘアトリートメントなど、すべてのメニューをラボ内で製作。その製法は、山へのフィールドワークからハーブの選定、その抽出方法まで研究を繰り返し、今のメニューを導き出したという。

ラボには国内外から足を運んで探した植物が保存されている。

「ゼロからのスタートだったので、リサーチをして農園に足を運んで、試作を作って、トライアンドエラーの繰り返しでした。精油の種類もたくさんあるうえに、1滴違うだけで印象がかなり変わるのでメニューをひとつ作るだけでもかなり時間がかかるんです。メニューが完成してもスタッフがサロンで試してすぐフィードバックがくるので、同じ商品でも日々アップデートし続けています」と伊藤さん。

さらにラボで試作したものは、専門機関できちんと効力を測定してからメニュー化しているとのこと。自然の力を最大限に活かしながらも、あくまで科学的な根拠を大事にしているところも説得力を感じる。知識や技術が溢れているこの21世紀に、ゼロから試行錯誤することは一見、古典的に見えて新たな美容法が生まれる兆しにも思える。

フレッシュな植物のパワーを存分に体感できる唯一無二のメニュー

毎月変わる”生“シャンプーやトリートメントは毎朝その日に使う分をブレンドして作成する。香りや品質が下がらないように、シリンダーに入れて使用するという徹底ぶり。

「Epo Hair Studio」のメニューはシャンプーひとつとっても、視覚的変化に伴うリフレッシュ感に加え、目に見えない精神的な側面も担っているのが特徴だ。なかでも、ファンが多い2大メニューが、ボタニカルヘッドスパとティンクチャーだ。

約150分のヘッドスパでは、まず直感で6つの香りから気になるものをひとつ選択するところからはじまる。選んだクレイとエッセンシャルオイルを使って頭皮を指圧していくのだがその際、ハーブの香りがダイレクトに鼻孔をくすぐるり、自然と全身が脱力する。また、耳栓で音を遮断しているだめ骨伝導し不思議な感覚に落ち入る。終わったあとの頭皮の爽快感と軽やかさには驚くことだろう。

さらにサロンメニューとしてあまり聞きなれないティンクチャーは、ハーブ数種類をアルコールに浸けて抽出したエッセンスを、時間をかけて頭皮に浸透させていくもの。メニューではヘアトニックとして使用しているが、本来は化粧水の材料として使用したりさまざまな使い方がある成分だという。頭皮環境の改善だけでなく、自立神経をコントロールしてくれるため、こちらも終わったあとは心身の回復を実感するはずだ。

ハーブの力をケミカルで合理的に引き出す

シャンプー台のうえに設置されたティンクチャーのタンク。女性、男性用にそれぞれの頭皮環境に合わせたオイルをハーブウォーターで割っている。

このように自然のパワーを活かした独自のメニューが最大の魅力といえども、一方でパーマやカラーというのはヘアデザインで必要なことであるがゆえ、ケミカルともうまく付き合っていくのがヘアサロンの宿命である。オーガニック一辺倒にならずに、視点をフラットにし両方のいいところを取り入れていこうという姿勢も同サロンの魅力と言えよう。

「カラーやパーマなどのケミカルに対しては全然否定的ではなくて、どのように共存していくかというところに着目しています。ヘアサロンは髪を切るだけでなく、伸ばすところでもあるので、両方のいいところをうまく活かしてライフスタイルに適したヘアに内側から整えていければと思います」

何ヶ月もかけて試行錯誤の結果生まれたというハーバルケーキ。ローズマリーとカモミールの2層に分かれている。

スタイリストの佐藤さんがそういうように、カラーリングをした方のトリートメントとして展開されているメニューが、こちらのハーバルケーキだ。お菓子のような見た目に反して、カラーの残留アルカリ除去やphコントロール、頭皮のクレンジングをしてくれるもので、髪本来の弱酸性に戻す働きを促してくれるという。

店内のBGMはなんとカナリアの声。空間に広がるアロマの香りと相まって深い森の中にいるかのようだ。

かつては原料や生産者などが注目され取り入れていたオーガニックコスメティックも、今ではブランドの自然環境へ対する取り組みなど思想に共感したうえで取り入れる人が増えた。しかし、未来の美容は「Epo Hair Studio」が実践するようにそこに科学的な要素をプラスして正しい使用法を把握して合理的に使うことで、より植物のパワーを引き出していくことなのかもしれない。さらに、ヘアサロンを選ぶ際は、ただ髪型に満足するだけでなく、心や身体も心地よく感じる場所でトータルのメンテナンスを心がけたい。「Epo Hair Studio」はそんなライフスタイルへの気付きも与えてくれる新しいヘアサロンだ。

撮影:服部希代野

MORE INFO:

Epo Hair Studio

エリア: 東京 / 代々木公園
住所: 〒151-0063 東京都渋谷区富ケ谷1丁目9−15
電話番号: 03(6407)9970
定休日: 火曜(第2日曜はワークショップクラスのみ)
公式WEB: https://www.epohair.com