旅行に行こうと思い立っても、大抵はその場限りで終わってしまうかもしれない。場所は? 交通手段は? 宿は? 見どころは? ひとしきり調べるのは、旅行好きじゃない限りちょっと面倒。しかし、それらを一挙に解決して背中を押してくれるITサービスがある。
「ズボラ旅」というウェブサービスがちょっと人気らしい。なんでも、LINEでやりとりするだけで、予算にあわせて目的地から宿、交通手段、観光スポットまで提案してくれ、予約までしてくれるというのだから、文字通り“ズボラ”な人にはけっこうな朗報だ。
「弊社代表の有川鴻哉が旅行好きで、今までにないサービスができないかと考えて昨年スタートしたのが、ズボラ旅です」
こう語るのが、Hotspringマーケターの武田 道さん。同社はいわゆるスタートアップ企業。当初は武田さんを含めた5人で始めたが、サービス開始から予想以上の大反響を得て、4000件もの相談が届きパンクし、ウェブ上で公開謝罪。さらにシステムを預託するLINE@で返信できないトラブルが発生するなど、混乱を極めたらしい。
が、今やオペレーターを増やして盤石の体勢だ。筆者も試してみたところ、あっという間に旅行プランが決まっちゃったのだ。
「いわゆる予約サイトのように、情報を並べて『あとは選んでね』というスタンスではなく、旅をレコメンドをするというか、ぜひ行って欲しいと背中を押すサービスなんです」
具体的にはこういう感じ。LINEで「ズボラ旅」を友だちに追加、日程や予算、出発地や旅先でしたいこと、人数などをわかる範囲でアンケート回答。するとオススメのエリアやそこでのプランを提案してくれる。「宿を変えたい」「食事を豪勢に」「ロマンティックな場所に立ち寄りたい」などなど、会話を重ねて旅のアレンジも自在。そして予約までしてくれる。しかもAIやボットではなく、人力で。
「自動応答のボットならいただいたご相談に対してある程度の精度ではできるし、レスポンスも早くコストもかかりません。ただ旅行に行くときって、意志決定のプロセスが多く、気持ちが固まっていないと判断する軸がないですよね。人間であれば、その心境に絶妙なさじ加減で寄り添うことができるし、フロントに立つのが機械か人かでは、受け入れられ方も変わってきます」
生身の人が「オススメです」と言ってくれるなら「行ってみようかな」と思うのが情緒ってもの。ちなみにそこで提案される宿泊プランなどは、提携の旅行サイトからの最安値をチョイスしており、手数料分が乗るとはいえコスパはなかなかだ。
「能動的に最安値を探せるお客様より、情報収集や比較検討を整理してまとめてほしいというお客様が価値を見いだして下さっています。20代からご高齢の方まで、ご利用者の層は様々ですね。たとえば当日の宿の予約も承っていますので、出張先のビジネスユースもあります」
利用者の選択傾向といったナレッジが集まることで、今後の旅の提案に生かしていくという。またコンビニ後払いサービスがスタートするなど、できることを拡大しているとか。
「現在は国内旅行だけですが、国外旅行についても取り扱うべく、現在準備を進めているところです」
LINEで友だちや恋人と旅行の話をする気軽さで相談ができるうえ、なにかと融通も利く。もちろん相談だけでもいい。「ズボラ旅」は旅行を楽しむということのハードルを色々取り払ってくれるサービスというわけだ。その気軽さは、試してみればすぐにわかる。そしてたぶん、自分のなかで“旅行に行かない言い訳”が利かなくなってしまうだろう。
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