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斉藤アリスの東京カフェホッピング

モデル・タレント、最近は「食べログ」レビュアーやカフェライターとしても活躍する斉藤アリスさん。沢山のカフェを観てきた彼女と小誌編集部・稲垣美緒が「本当にいいカフェって何?」を探求してきます。

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生まれるべくして生まれた、「カフェ好き」世代のネオ喫茶

喫茶ネグラ

喫茶店や新しいスタイルのワーキングカフェなどを紹介してきたが、今後はどうなっていく?これからのカフェを予想します!

稲垣:そもそもカフェはその成り立ちも役割も、時代の流れや文化と密接な関係がありますと。

アリス・はい、それは今も昔も変わらず。

稲垣:ただ、世の中が文化的に成熟してきたので、その目的は細分化されてきているんですね。今まで喫茶店が担ってきた役割が細かく分かれてきている。

アリス:ですね。美味しいを楽しむカフェ。アイデアをうむカフェ。デートするカフェ。

稲垣:ただリラックスする場所。っていうのもありますよね。

アリス:確かに。

稲垣:「理由」が多いお店が一番素晴らしいと思っているんですが。

アリス:どうなんですかね。それが求められているわけでもないかもしれないですね。

稲垣:これだけカフェ飽和状態だと、差別化も難しい。

アリス:東京は特に、激戦区ですもんね。その中で、「全部やります!」を頑張るより、その理由一つ一つに特化するという「カフェ好き」が増えていくんじゃないかな、今後。
多分、お客さんの方も、目的によってカフェを使い分けるようになってきているのが今の流れだから。

稲垣:そうですね、「こういう時は、ここが好き」と、シーンによって変わったり。

アリス:結局、「好き」が全てな気がしますね。いいカフェを作る人、やる人って、「これが好きだ!」というものに出会っている、だから始めるという順番な気がします。

稲垣:うんうん。確かに。だから、ディテールまでこだわっているお店が多いですよね。最近で言えば、カフェ好き世代のお店。「喫茶店」に憧れた若い世代の人がやっている喫茶店を総じて「ネオ喫茶」と呼んでいるんですよね。

アリス:多分、このネグラさんもそうだと思う。

稲垣:そうですね、昭和では最先端だった喫茶店がだんだんと新しいものではなくなり、古いものとして捉えた次の世代が、「これいいじゃん、好きだなぁ」って再評価して。そして今、ネオ喫茶として新しいスタイルのお店が生まれているってことですね。

アリス:喫茶店に来る人も、きっと今と昔とでは客層が全然違う。昔はおじさんが煙草を吸いに行く場所だったけど、今は若い子たちがカメラを持って、クリームソーダやナポリタンを撮りに来てるもんね。

稲垣:うんうん。きっと全然風景違いますよね、昔と。

アリス:さっき海外の人も多いねって話しましたけど、喫茶店って、椅子とかテーブルが小さいじゃないですか。あと、妙な段差があったりミラーボールがあったり。その狭くて不便で不思議な感じが「面白い!」って海外の人から人気だったりするんです。

稲垣:外から見ると、面白いと思うところが全然違うんですね。喫茶店だって元をたどれば、パリあたりにあった「カフェ」を、これいいじゃん!って輸入したもの。それが長い時を経て紆余曲折あって(笑)、だんだんと日本の一部になって。

アリス:今では立派な日本文化の一つとして、外から評価される存在になってますもんね。

稲垣:じんときますね。

アリス:ちなみに、喫茶店って、小さくて狭いお店が多いから、向かい合って座るとすごく顔が近い(笑)。だから好きな人と行ったらドキドキして盛り上がりそう。そういうエンタメ的な使われ方もいいですよね。

稲垣:そんな発想なかったけど、なんかわかる気がします(笑)

 

長い「喫茶店」の歴史の中で、古き良きものを新しい価値観を持った世代が新たに評価することで生まれてきた「ネオ喫茶」。古い喫茶店より「何が好きか」を明確に持った店が多い。
次回はそのネオ喫茶の代表の一つとも言える「喫茶ネグラ」を斉藤アリスさん自身にリポートしてもらおう。