雨がジトジト降る日は、寒いし出かけるのが面倒…。そんなときの変化球が、Hulu独占配信の「ハンドメイズ・テイル/侍女の物語」。救いのない世界に侵蝕されて、どっぷり浸かるのも、たまには面白いかも。
「舞台は有害物質や放射線の汚染が進んだ、近未来のアメリカ。女性の不妊率がとんでもなく上がっていて、妊娠できない女性が増えている世界のお話です」(ぴんこ)
「そこで国家が推し進めたのが、子どもを産める女性を強制収容し洗脳して、軍や政府の要人の『侍女』にして子どもを産ませる、という恐ろしい政策。ありえないけどありそうな、絶妙な世界観にヒヤリ」
現在シーズン2までHuluで独占配信中の「ハンドメイズ・テイル/侍女の物語」。ネット配信のオリジナルドラマとしては史上初となる、エミー賞を受賞した作品だ。
「リアリティあるディストピア(理想郷=ユートピアの対義語)感が、まずじんわり染み込んできます。それは、背中からゾッとするような謎の恐怖感…」
「そんなカルト化した世界に立ち向かうべく、侍女たちが集まって戦うんですが、誰も幸せになれなさそうなストーリー展開が、妙にリアリティがあって新鮮!『うわ、なんかこれ、逃げ道ないじゃん』みたいな絶望感を抱かせます」
この救いのない物語は、世界中でかなりの反響を呼んだ。
「#MeToo運動とか、ウィメンズマーチとか、いまアツくなっている『女性蔑視は良くない』という動きを、いい意味で揺さぶったんです。このドラマをいまアメリカが作ったのが、本当にすごい!」
現代の社会情勢を知ったうえで観ると、もっと面白そうだ。
「どう考えてもこんな世界があってはいけないんだけど、もし超少子化になった社会のことを考えると『120%悪い!』と断言できない自分もいる。なんかいろいろと考えさせられます…」
「際立つ絶望感と闇の深さは、これまでに見たどんなドラマよりも濃い気がする。派手じゃないけど心の中に迫る怖さがある。登場人物になりきってどこまでもリアリティを感じるのがオススメです」
なるほど。恐怖の世界に敢えて落ちていく感覚は逆に新鮮かもしれない。
「そんなドラマなので、ものすごく外が晴れてて『どこかに出かけようかな』って気分のときはオススメできません(笑)。あえて雨の日にどこにも行かず、どんよりした窓の外を横目に観てほしい。あとは深夜かな」
「こないだ紹介したときめき系の『トッケビ』とは、対極の作品。中途半端な気持ちで見ると、ただただ気分が暗くなって終わるので、要注意な作品!」
「あ、あと、Huluがお金をかけて作ったので、映像のクオリティは映画レベル。日本ではメジャーじゃないけど、いまアメリカで注目されているキャストも出ているので、そのへんも要チェックですね」
実力派キャストによる、センセーショナルなテーマを描いた衝撃作。鳥肌覚悟で一度お試しあれ。
取材・文:中山秀明
コンテンツセレクト:岡野ぴんこ
【ハンドメイズ・テイル/侍女の物語】
環境汚染によって出生率が下がったギレアド共和国では、子どもを産める女性は、富裕層の子孫を残すための侍女として仕えなければならない。行動を極限まで制限された世界で、侍女オブフレッドが力強く生き抜いていく姿を描いた衝撃作。
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公式WEB: | https://www.happyon.jp/the-handmaids-tale |
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