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TOKYO WELL-BEING “東京でつながる”という幸せ

不確かな未来や、到達できそうにない目標を嘆くくらいなら、「小さな幸せ」をたくさん持っているほうがいい。好きなことに邁進する人たち、同じ価値観の輪を拡げる人たち…。東京は、ささやかだけど確かな幸せを生む“つながり”に溢れているのだ。あなたは今、幸せですか?

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桜田通「リスペクトする人たちに誠実に向き合えば、自分のやりたい道が見えてくる」

TOKYO WELL-BEING “東京でつながる”という幸せ

2人目は、桜田通さん。12月7日に28歳を迎える彼が、27歳の今、一度立ち止まって見つめた“自分”について。そして、俳優と音楽というマルチな活動をする彼“らしさ”とは何なのか。

上を見てもキリがない。でも、上を見ないと向上心も芽生えない。仕事上のスキルとか人間力とか、自分自身を高めていきたいと思うのならば、やはり目標となる人はいたほうがいい。俳優・桜田通さんがベンチマークにしたのは「The 27 Club」だった。「The 27 Club」とは、ブライアン・ジョーンズ、ジミ・ヘンドリックス、ジャニス・ジョプリンなど名だたるミュージシャンや俳優たちのリストであり、彼らがみな27歳のときに他界したということを示す死のリストでもある。桜田さんは、彼らと同じ27歳のうちに制作した写真集のタイトルにその偉人たちの称号をつけた。

「勝とうなんて思っていないですよ。勝てるわけがないです。何も成し得ないまま27歳になってしまったという現実を受け止めるためにこのタイトルにしたんです」

10代のうちにミュージカルの主役に抜擢され、仮面ライダーシリーズのヒーロー役にもなった。佐藤健など先輩役者がたどったスター街道を順調に歩んでいるように見える桜田さんだが、その自己評価はきわめて低い。

「10代のときから自分よりも芝居が上手くて、もっと売れていて、もっと格好良い男の子たちが周りにはいて、そもそもそこで勝負しようとしている自分は気が狂っているなって(笑)。だから、どこかで人と較べるのを諦めたんです」

芸能界に入ってすでに15年が経つ。長いキャリアの中で競争にもまれ、達成感と挫折感を繰り返し味わいながらたどり着いた境地は「他人ではなく自分に勝つこと」だった。

「本当に悔しいとか負けたくないとか思う対象って、自分なんですよね。僕は、比較的恵まれた環境で生きているし、いろんなチャンスもある。それでも上に行けなかったとしたら、頑張らなかった自分や、チャンスを掴もうとしなかった自分がいるわけで。そういう、どうしようもない自分に対しての苛立ちがすごくある」

他人との比較をやめて自分を見つめ直すと、今度は他人に対して素直に学びたいという意識やリスペクトの想いが芽生えてくる。桜田通さんの写真集には、彼がリスペクトしてやまない4人のクリエーターが登場する。俳優・佐藤健、UVERworld のボーカル・TAKUYA∞、OCEAN TOKYO代表・髙木琢也、『GQ JAPAN』ファッションディレクター・森口德昭。4人とも各界を代表する面々だ。

「その4人の方々は、いてくれて本当に良かったと心から思うと同時に、『何でこの人たちがいるんだよ、邪魔だな!』って思う人たちでもあるんですよ(笑)。もう悔しいですよ、彼らが面白いことをするたびに。だから僕はこの方たちと密に誠実に向き合うことでたくさんのヒントをもらって、それを自分のオリジナリティに昇華していったら、僕は僕のやりたい道が見えると思うんです」

リスペクトしながらもライバルだと思える人。4人に共通することは、ひとつの職業に縛られずに多彩な分野に活動の幅を広げていること。そのマルチさは、桜田さんの個性にも通じるものがある。役者をやりながら音楽活動も積極的に行っている彼“らしさ”は、どこにあるのだろう。

「やっていて楽しいのは音楽なんです。楽しくて仕方なくて。桜田通としてのそのままの姿を出してステージに立てるというのは、僕にとっては生きているうえで一番大きな喜び。対して芝居のほうは『仕事』なんです。でもそれは否定的な意味ではなく、役者としていろんな人の要求に応えていく技術であったり、誰かの人生を演じるための人間力であったり、そういった力をつけていく別の喜びがある。今は、そのバランスが良いんだと思います」

仕事に幸福感のありかを見つける人たちは、単にその業界にいる、その職業に就いているというステータスを謳歌しているわけではない。結局は自分が起こしたアクションに対する反応であったり、チームにおける役割を担うことであったり、本質的にはほかの環境でも経験できるかもしれない自分の「根っこ」にある喜びを自覚しているのだ。

「その根っこの部分が、僕にとっては表現することそのものであるから、音楽だけとか役者だけとか、ひとつに縛られたくはないですね。僕が尊敬する人たちはみんなひとつの領域を超えてきている。というか、今の時代、マルチであることは仕事をするうえで前提だと思う」

写真集『The 27 Club』は、音楽、ファッション、演技、写真といった桜田通のやりたいこと、できることのすべてが詰まった集大成のようなものだと彼は言う。

「5年後にまた写真集を作るとしたら、どんなものになっているのか楽しみです。もし今回と同じものを作っていたら、僕はそれまでの人だったということですね(笑)」

 

スタイリスト:柴田 圭
メイク:中村 兼也(Maison de Noche)

写真:岡祐介

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お詫びと訂正

11月発刊の「Harumari TOKYO フリーペーパー Vol.2」にて、以下の誤りがございました。

P.9に掲載いたしました桜田通さんの写真集『The 27 Club』について、「2月7日、自身の28歳の誕生日に発売するセカンド写真集」とありますが、誕生日・写真集の発売日は正しくは「12月7日」となります。

謹んで訂正するとともに、 読者の皆さま、ならびに関係者の皆さまにご迷惑をお掛けしましたことを深くお詫び申し上げます。