実に、2ヶ月以上遅れの開幕となった、プロ野球やJリーグ。7月以降は観客を入れる試合も予定されているが、会場へ足を運ぶことに躊躇してしまう人もいるはずだ。そんなスポーツファンのために、テレビやスマホ越しでの観戦でも現地で直接応援しているかのような一体感を得られる、新サービス「Remote Cheerer powered by SoundUD(以下、リモートチアラー)」を紹介しよう。
リモートチアラーとは、スマートフォンアプリなどからボタンをタップするだけで、現場に声援を届けることができるリモート応援システムだ。
声援は会場各所に設置されたスピーカーから届けられ、たとえば、自宅にいながら応援するクラブのゴール裏より歓声を送るなど、あたかも観客席にいるかのような感覚でリモート応援を楽しむことができる。
このサービスを開発したのは、音のスペシャリストYAMAHA。音や空間と連動し、その場で必要となるさまざまな情報に簡単にアクセスできるといった音のユニバーサルデザイン「SoundUD」という技術を活用し、遠隔地と会場をつなぐインタラクティブな応援を実現させた。新しい生活様式に対応しながら応援を楽しめる技術として、高い注目を集めているという。
リモートチアラーは、新サービスながらさっそくJリーグやプロ野球の試合で採用されている。もちろん参加者たちは誰もが初めての体験であるが、Jリーグの試合においてその感想を聞いてみたところ、ファンからは「楽しい!」という声が続々とSNSで投稿された。
リモートチアラーにアクセスすると、「歓声」や「拍手」、「激励」といったボタンが出現。これらのボタンをタップすると会場に声援が送られる。たとえばサッカーの試合なら、セットプレーやゴール、勝利といった観客の気持ちが昂ぶるシーンで会場から合図が送られるので、それに合わせて拍手や歓声などのボタンをタップすれば、ほかのリモート参加者と一致団結した応援を送ることができるわけだ。
応援歌にあわせてテンポ良くタップをしたり、拍手をするかのように連打をしたり、応援している側としても違和感のない動作となっているのが良いところ。ファン同士隣りあって応援しているわけではないのに、全員で肩を組んで声援を送っているかのように絶妙な一体感が生まれるのだ。
テレビなどの画面越しに聞こえてくる声援が加わるとこで、まるで会場で実際にファンたちが声を合わせているかのような迫力も味わえる。アプリからも実際に歓声が流れてくるので、お茶の間の雰囲気は、まさに試合会場状態。ただ声援を送るだけでなく、家にいながら会場の雰囲気を感じられるのも、ファンにとっては嬉しいポイントだ。
ちなみに実際の会場では、会場に設置されたスピーカーから、大歓声が響き渡るしくみとなっている。会場を包み込むかのようなリアルな声援に、実際に試合に参加していた選手たちからも、リモートチアラーによる臨場感とモチベーション効果を称賛する声が多数寄せられたそうだ。
上原⼒也選手(ジュビロ磐田#7)
「声援があるとモチベーションが変わる。満員のスタジアムに近い応援が背中を押してくれた。気持ちが高ぶった」清田奈央弥選手(ジュビロ磐田#30)
「リモート応援ってサポーターはいないけど目をつぶったら本当にいるようで応援されてる感じがあって良かった」岡崎慎選手(清水エスパルス#29)
「無⾳でやるより全然良かった。凄く観客が⼊っているぐらいの声量はあったし、気分が高まった」
選手とファンが直接かかわる機会が減ってしまったなかでリモートチアラーという存在は、選手にとファンをつなぐ貴重な架け橋となっている。「離れていてもつながっている」、そう感じられることで、より一層選手とファンの絆も深まりそうだ。
リモートチアラーとは、スポーツの新しい観戦様式でありながら、新しいコミュニケーションツールでもあるのだ。
Jリーグとプロ野球では、7月10日より会場に観客を入れる試合の開催を予定している。しかし、しばらくの間は観客数を大幅に減らしての実施。会場に足を運べないファンが多いなかで、これからリモートチアラーというサービスが重宝されていくことになるのは間違いない。
現在は一部の競技や試合でのみ導入されているが、これから多くのスポーツでもお目にかかる機会が増えそうだ。今後リモートチアラーが導入される試合については、ご贔屓のチームの公式サイトをチェックしよう。
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