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東京で普及が進む電動マイクロモビリティ。Luup代表が語る未来の移動スタイルとは?

VOL.26 東京で普及が進む電動マイクロモビリティ。Luup代表が語る未来の移動スタイルとは?

数年前から世界中で普及が進んでいる、電動キックボードなどのマイクロモビリティ。日本でも、新型コロナウイルスの影響で3密を避ける移動方法に注目が集まり、より多くの人にその存在が知られるようになった。 中でも、東京都内で展開する小型電動アシスト自転車のシェアサービス「LUUP」は、コロナ禍で利用者が増え、サービスを順調に拡大している。海外に比べ、日本の普及は遅れているが、この先どんな移動の未来が待っているのか。「AmazonやJ Rのような存在を目指す」というLuupの代表、岡井大輝さんに話を聞いた。

コロナ禍で一気に広がった“新しい移動手段”

Luupが小型電動アシスト自転車のシェアサービス「LUUP」を正式に始めたのは、2020年5月25日。まさに、東京で緊急事態宣言が解除された日だった。
忙しい合間を縫い取材に応じてくれたLuupの岡井大輝社長は、このタイミングでのスタートは、結果的にサービスを広く知ってもらうことにつながったと振り返る。

オンラインで取材に応じてくれた Luup 岡井大輝 社長

「僕らがサービスを開始したのが、緊急事態宣言が東京で解除されたタイミング。コロナウイルスの感染が広まり始めてから、急いだほうがいいよねということでサービスの開始を早めました。
元々予想はしていたものの、密を避ける手段として、バスや電車に乗っていた方が、LUUPに乗ってみようかなと、利用を始めてくれました。これはLUUPに限らずあらゆるシェアサイクルがそうだと思うのですが、結果かなり使われている。ただ、最初は3密を避けるために使っていたと思うんですけども、途中で、ここまでの移動ならこれが一番早くない?と、気付いていただいて、そのまま使っていただく方がかなり多かったですね」

海外では当たり前のように使われている電動キックボードや電動自転車だが、日本ではまだまだ浸透していないのが現実。しかしコロナ禍において、3密を避けようという雰囲気が自然と利用者を増やし、サービス拡大の追い風にもなったのだ。

都内で展開するLUUPは現在、150台以上の電動アシスト自転車と、100か所以上の電動アシスト自転車を停めるための「ポート」がある。このポートは、駅の周りだけでなく、駅から15分ほどの場所にも設置されている。

利用方法は簡単だ。専用アプリをダウンロードすると、アプリ上にその時点で利用できるポートの場所が表示されるので、最寄りのポートまで行って小型電動アシスト自転車をレンタルする。

車体についているQRコード
QRコードをアプリで読み込む

車体にはQ Rコードが付いているので、アプリでスキャンする。降車するポートを設定したらロックが解除されるので、あとは乗って目的地に向かうだけだ。支払いは、事前にクレジットカードを登録するとできる。

このサービス、筆者も実際に利用してみた。車体は非常にコンパクトだが、少し漕ぐだけでもグイグイ進み、非常に快適だった。ブラックのカラーにシンプルなデザインで、乗っていてスマートなのも嬉しい。

目的地のポートに着いたら、駐車時の写真を撮影してライドを終了する。この写真は、自転車がちゃんとポートに駐車してあるか、機体に破損はないかなどをLuupが確認する手段にもなっている。

ライドが終わったら撮影して、写真をアプリ上で送信する

このように、若干のアプリ操作は必要だが、一度使ってしまえば便利なサービス。料金は初乗り100円(10分・以降は1分あたり15円)で、利用者は20代から50代までと幅広いのだという。

「近場の移動で使う方が多いです。土日は長い移動も多くて、カップルがデートするとか、テイクアウトをしに行くとか、そういう使い方が多い印象です。アプリを入れて、ポートがどこにあるかわかると、どんな場所でLUUPを利用できるか知っていただける。まず使っていただくと便利さがわかるので、そういう意味では良い機会になりました」(岡井さん)

撮影したのは、三軒茶屋駅から15分ほどのポート。三軒茶屋には駅周辺にもポートがあるので、筆者も実際に利用することで「駅から遠いお店までの移動が便利になる」と実感できた。

「自分はLUUPのサービスが使えるエリア内に住んでいますが、街の見方が変わるんですよね。マイクロモビリティが使えると思えると街が面になるといいますか、どこにでも行けるんです。そういえばあそこにカフェあったよなとか、あそこのスーパーあったなとか、街の見方が変わる。それが楽しいんですよね」(岡井さん)

まずは「知ってもらうこと」が何より大事

移動の選択肢が増えることで、街を「面」に感じられることが楽しいと語る岡井さん。この楽しさをわかってもらうためにも、まずは多くの人に「知ってもらうこと」が大事だという。

「やっぱり、日本では(電動マイクロモビロティが)知られていないことが問題です。ここ数年で、海外の先進国に旅行した方ならほぼ100%わかると思うのですが、海外で電動キックボードがある光景を見ないで帰ることはほぼ無理です。東京に置き換えたら、東京でタクシー見ないで帰ってくださいというくらい無理な話。
海外ではもはや説明不要の乗り物で、いろんな人種、年齢の方がバンバン乗っているんですね。かたや日本で電動キックボードについて聞くと、『子供の乗り物じゃないの?』という答えが帰ってきたりする。
そもそも『シェアリングって何?』という状況でもある。これが一番まずいなと。なので、LUUPを使ってもらって、こうしたサービスや乗り物があることを知ってもらいたいんです」

Luupはいずれ、電動アシスト自転車に代わり、電動キックボードを広めていこうと考えている。電動キックボードとなるとますます、海外と比べて遅れている印象が強い日本。この事実についてはどう考えているのだろうか。

Luupが手掛ける電動キックボード

「正直、焦りや危機感はあります。僕らの視点では昨年、一昨年とやるべきことはやってきているので、引き続き、日本人の多くに知ってもらうためにやるだけかなと思っているのですが、もう一つ上の視点で見たときには少し話は変わる。
昔の話ですが、最初に蒸気機関車ができたイギリスでは、その際に車もバンバン走り出したんです。でも、馬車の人たちとの兼ね合いで、(車は)3kmしか出しちゃいけないという法律ができた。この法律はすぐに撤回されるんですが、その結果どうなったかというと、現在イギリスには大きい車メーカーがない。つまり、産業がどうなるかの問題にもなってくるんです。

すでに今、世界ではフェラーリやベンツやBMWが電動キックボードを販売しているという事実もあります。僕らが先陣切って価値を証明して、世論に受け入れてもらえるように頑張るしかないなと思います」

実は岡井さんは、国内の電動キックボード事業者を中心に、マイクロモビリティの社会実装を促進する「マイクロモビリティ推進協議会」の会長も務めており、国や自治体と共に、制度などを協議している最中だ。
現在「原付」扱いの電動キックボードを、今後どういうカテゴリにするのか、道路上ではどのレーンを走るのが良いのか……、考えなければならないことは山ほどある。

Luupが目指すのは、インフラとしてのサービス

話を聞けば聞くほど、一ベンチャーにはおさまらないプロジェクトに思えてくるのだが、岡井さんが目指すところはどこにあるのだろうか。

「僕らは、21世紀のJ R、インフラになりたいんですよね」

壮大な目標。しかし岡井さんが今取り組んでいる話を聞いていると、それは夢物語ではないと思える。

「日本は鉄道中心になった結果、駅から離れたところには移動しづらくなっています。渋谷と恵比寿の間のカフェですらお昼に人が来なかったりして困っていたりする。そんな状況をアップデートしたい。
これは、電車を否定するわけではなく、J Rが動脈だとしたら僕らはその先、毛細血管みたいな役割」

岡井さんが目指すのは電動マイクロモビリティが当たり前のように普及して、生活に浸透している世界なのだ。

Luupが考える「電動・小型・一人乗り」のユニバーサルな機体。数年後に扱いたいとしている。

LUUPがあるからここに住むようになったとか、LUUPがあるから駅から離れているけど家を買った、というのが僕らの目指すところ。明日止めるかもしれないサービスをあてにして生活はしない。LUUPの上に生活をして欲しいというのはありますね。そのためには課題は山積みですし、どんどん責任が重くなるけど、必要とされているから後はやるだけ。大変ですが、楽しいです」

と、笑顔で語る岡井さんは、本当に楽しそうだった。Withコロナの今は、これまでの常識が変わる時。岡井さんの目指す世界の実現も、遠い未来のことではないだろう。

現在開催中のキャンペーン「乗り放題ウィーク」

実は現在、LUUPを無料でサービスを利用できるキャンペーン「乗り放題ウィーク」を実施中だ。(2020年9月6日まで実施)

気になっていたという人はこの機会にぜひ利用してみてはいかがだろうか。これまでの移動の常識が覆るかもしれない。

※会社名はLuup、サービス名は「LUUP」

MORE INFO:

LUUP

エリア: 注目商品・サービス
公式WEB: https://luup.sc/service/