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ジャパンのすごさの現在地!注目のライゾマ展で紐解くデジタルアートと未来

ジャパンのすごさの現在地!注目のライゾマ展で紐解くデジタルアートと未来

ライゾマティクスの大規模個展が注目を集めている。美術館においての初の大型個展であり、フィジカルでもバーチャル上でも楽しめる、ライゾマらしい演出の数々。2020年、急激にオンライン化を求められた世界で、その最前線にいる彼らの現在地をぜひこの目で確かめよう。

メディアアートやデジタルアート、そしてVR やARを使用した展示がここ数年増えてきており、日本はその分野のなかでも国際的に高い評価を得ている。その中心ともいえる存在が、今年設立15周年を迎える通称ライゾマこと「ライゾマティクス」だ。設立以来、人とテクノロジーの関係を探求してきた。真鍋大度や石橋素などのクリエイターを筆頭に、アイデアから技術開発・実装に至るまですべての工程をワンチームで取り組んでいるライゾマは日本を代表するデジタルクリエイティブ集団としてシーンのトップを走ってきた。

「なんかすごい」。実際のところ、デジタルアートの展示を見てこういう感想を持つ人は多いだろう。このすごさがつまりどういうことなのかを本展示は詳しく解説してくれる。
これまでライゾマが手掛けてきた作品やメーカーとの共同開発プロジェクトなどのアーカイブから、新作をはじめとする作品が、6月20日まで東京都現代美術館にて公開中だ。

Perfume《Reframe 2019》2019年 撮影:上山陽介[参考図版]
野村萬斎×真鍋大度《FORM》2017年1月2日〜3日  東京国際フォーラム ©Hiroyuki Takahashi/NEP[参考図版]
Rhizomatiks Research×ELEVENPLAY×Kyle McDonald《discrete figures Special Edition》2019年10月6日  札幌文化芸術劇場 hitaru  主催:札幌文化芸術劇場 hitaru (札幌市芸術文化財団)・ライゾマティクス ©kenzo kosuge[参考図版]

一般的によく知られるPerfumeの舞台演出、世界的に活躍するアーティストのビョーク、スクエアプッシャー、狂言師・野村萬斎や研究者とのコラボレーション。さらにはエンターテインメントのみならず、社会における問題提起など開発要素の強い実験的なプロジェクトまで、その領域の広さには目を見張るばかりだ。

展覧会の冒頭展示では、その多様なプロジェクトの膨大なボリュームやすごさを“カラダ”で感じられる。映像空間の中をくぐりながら、ライゾマの15年に渡る歩みをワクワクしながら目にすることができるのだ。
メディアアートがよくわからない…という人にもわかりやすいよう、作品とその解説を丁寧に見せてくれている。メインとなる展示はダンスカンパニー「ELEVENPLAY」とのコラボレーションした新作インスタレーション《Rhizomatiks × ELEVENPLAY “multiplex”》(2021)だ。

Rhizomatiks Research × ELEVENPLAY《border》2015年 photo by Muryo Homma[参考図版]
会場の様子《Rhizomatiks × ELEVENPLAY “multiplex”》2021 部分
会場の様子《Rhizomatiks × ELEVENPLAY “multiplex”》2021 部分

演出振付家MIKIKO率いるELEVENPLAYのダンサーの動きをモーションデータ化。ステージを模した横長の広い空間には映像がプロジェクションされる。ダイナミックに動く立方体のロボティクスとともに、迫力ある空間が作られている。リアルに動くダンサーの表現を、バーチャルで再現する……。これぞ、ライゾマの真骨頂ともいえる表現だ。

見ている方はリアルとバーチャルを両方感じながら、異空間へとトリップさせられる、圧巻の作品だ。
また、そこで作品を眺めている自分の姿も「素材」として別の作品へ入り込んでいく。別室に移動すると自らの映像がビジュアリゼーションして取り込まれているのだ。テクノロジーが叶える、リアルタイムでの作品づくりや実験性に驚くこと間違いなしだ。

「Fencing Visualized Project」2013年~  H.I.H. Prince Takamado Trophy JAL Presents Fencing World Cup 2019 ライゾマティクス_マルティプレックス展  [参考図版]
Squarepusher 《Terminal Slam》2020年[参考図版]

クオリティの高い作品の裏には、日々進化するテクノロジーや、それをアイデアと組み合わせて作品をつくり上げていくライゾマメンバーの才能と努力が必ずある。おそらく気が遠くなるほどのトライアル&エラーを繰り返しているであろう舞台裏の様子や、作品づくりに実際に使用されているガジェットはここでしか見られないので必見だ。テクノロジーとひと言でいっても、その裏には必ず人がいる。そんな当たり前のことを改めて気付かされ、彼らの努力と才能に敬意を表すばかりだ。

ライゾマティクス「Staying TOKYO」2020年  Online event by Rhizomatiks[参考図版]

また、日々目まぐるしく変わっていく世の中と同スピードで彼らが歩んでいることも注目のひとつ。2021年3月現在のライゾマがここにある。
コロナ禍をきっかけにライゾマが発信してきたオンラインイベント《StayingTOKYO》や、
離れていても同じ音や距離感覚の再認識をもたらす《Social Distancing Communication Platform》など昨今の取り組みも要チェックだ。

本展は東京都現代美術館(=オフライン)のみならず、オンライン上でも楽しめるようになっている。近日公開予定のオンライン会場では、東京都現代美術館の空間を3Dモデルで再現し、鑑賞者は会場をウォークスルーしていくという疑似体験を可能にしている。また、美術館内で実験デバイスを装着しながら鑑賞する人の位置データをビジュアリゼーションするなど、オフラインとオンラインが交錯する新たな表現も見逃せない。
人々の生活に急激なオンライン化が突きつけられたコロナ時代。コミュニケーションのあり方も急速に変化しつつある。その中心地にいるライゾマの現在地をぜひ美術館で体感し、美術館での鑑賞後にオンラインで追体験するなどハイブリッドな鑑賞を楽しみたい。

オンライン会場URL: https://mot.rhizomatiks.com/ (3/30より公開予定)

【情報更新】

東京都現代美術館は、6月1日(火)から完全予約制で展示再開・開館します。再開にあたり、展覧会の会期を6月22日(火)まで延長し、会期中、休館日も臨時開館します。
いずれの展覧会も、どなた様でも事前予約が必須です。当日券の販売はいたしません。
https://www.mot-art-museum.jp/news/2021/05/20210526132251/

MORE INFO:

ライゾマティクス_マルティプレックス

住所: 〒135-0022 東京都江東区三好4丁目1−1 東京都現代美術館
営業時間: 火曜日 10:00〜18:00
水曜日 10:00〜18:00
木曜日 10:00〜18:00
金曜日 10:00〜18:00
土曜日 10:00〜18:00
日曜日 10:00〜18:00
定休日: 月曜日(5月3日は開館)、5月6日

東京都現代美術館

エリア: 東京 / 清澄白河・両国
住所: 〒135-0022 東京都江東区三好4丁目1−1
電話番号: 03-5245-4111
営業時間: 火曜日 10:00〜18:00
水曜日 10:00〜18:00
木曜日 10:00〜18:00
金曜日 10:00〜18:00
土曜日 10:00〜18:00
日曜日 10:00〜18:00
祝日 10:00〜18:00
定休日: 月曜日 (展示転換等については、公式WEB,SNSをご確認ください。
公式WEB: https://www.mot-art-museum.jp