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人混みに疲れたら…自然の厳しさ&人の極限状態を知って、都会の良さを再確認

VOL.22 人混みに疲れたら…自然の厳しさ&人の極限状態を知って、都会の良さを再確認

毎日、会社や学校に行くのもラクじゃない。弱音を吐きたくもなる。そんなとき「世の中にはもっと大変な人がいるんだよ」なんてよく言われるが、これはその究極形。人間社会や都会のありがたみを少しだけ思い出せる、かもしれない。

コンセプトも賞金も規格外。本当に“孤独”なサバイバル番組

「一度登録してしまえば、有名なドラマからニッチなバラエティまで、全部観られるのがVODのいいところ。会員になったら、こういうマニアックな番組も逃さずに注目したいですね」(ぴんこ)

Huluで配信中の「ALONE ~孤独のサバイバー~」は、参加者たちが大自然のなかで生き延びていく様子を克明にドキュメントした、全10回のリアリティ・ショーだ。

© 2019 A&E Television Networks. All rights reserved.

「カナダの離島で、サバイバルが得意な10人をそれぞれ違う場所に放って、生き抜いてください、と。テントやナイフなど最低限の装備だけ携行OKで、食べ物も飲み水もない状態でスタート、最後まで生き残った人は賞金50万ドルを手にできます。日本円にして5000万円! 賞金額スゴくないですか!?」

ケタ外れの賞金をかけたサバイバルゲーム、特徴は斬新なコンセプトにある。

「サバイバルの番組ってよくあると思うんですけど、それらと比べて、この番組は企画が非常によく考えられています。わたしは放送作家という職業柄、企画会議の様子まで目に浮かんできます。『今までだれもやってないじゃん! これやりましょ!』といういい塩梅のスキマを見つけた感じ」

「一般的なサバイバル番組は、一人といっても、少なくともカメラマンは付いています。でもこの番組は、カメラもサバイバー本人が撮影。本当の意味で孤独なんです」

© 2019 A&E Television Networks. All rights reserved.

海外番組でよく見られる“リアリティ・ショーのお作法”の枠も飛び越えている。

「この手のアメリカのバラエティって、参加者同士で争って蹴落としていく形式が多いんですが、今回の戦いの相手は、天気、気温、野生動物、そして自分。それだけ。他人との干渉は一切ないんです。これまでにない新しいカタチですね」

大自然での極限状態に比べれば、満員電車なんてイヤじゃない!?

「回が進んでいくとリタイアする参加者が出てきます。そのリタイアの原因の多くは、飢えや渇きではなく“恐怖”でした。もちろん食糧が捕れなかったり、飲み水が確保できなかったりすることはあります。でも、それよりも大きいのが、ずっと一人きりでいることの恐怖、そして死の恐怖なんです」

「彼らがサバイバルする島には、野生の熊やクーガーなどがたくさんいます。いつ襲われてもおかしくありません。人同士の争いがない分、静かに自然と対峙しながら、少しずつ心が衰弱していくのがわかります」

本当に過酷な環境で生まれる感情というのは、確かに想像を絶するものがある。

「しかも一人きりっていうのが精神的に追い込まれるから、どんどん参加者たちはエモーショナルになってきます。俺はサバイバルに自信があるんだぜ、っていう大男でも泣きだしちゃって一晩でリタイアしたり。まさに極限状態。自分だったら…って、つい考えちゃいますね」

© 2019 A&E Television Networks. All rights reserved.

マニアックなトリビアが満載なのも、隠れた見どころのひとつ。

「たとえば、人間は極限状態になると動悸が上がって、通常時より2リットルも体内の水分を消費する…。ある木はどんなに雨が降っても中は乾燥しているので、削れば薪になる…。などなど、いつ使うんだ!? って感じの豆知識がテロップで紹介されます。そういうのを知るのも面白いですね」

では、「ALONE ~孤独のサバイバー~」はどんなときに観るのがおすすめだろう。

「人混みや都会に疲れた人にいいかも。『毎日がんばって会社に行くのがもうイヤだ! とはいっても、こんな大自然で暮らせるんだろうか?』と、究極の選択をしてみてほしい」

「毎晩、熊に殺されるかもしれない恐怖に震えながら寝るくらいなら、満員電車に揺られるほうがまだマシじゃない? と思えれば、明日の通勤ラッシュがだいぶラクになるはず(笑)」

ツラくて困難だと思っていた都会での“サバイバル”。それが逆に都会人で良かった可能性もある!?とVODを観ながら前向きになれれば、ちょっと得した気分だ。

 

取材・文:中山秀明
コンテンツセレクト:岡野ぴんこ

 

【ALONE ~孤独のサバイバー~】
サバイバルの達人たちがたった一人、バックパックひとつで厳しい大自然の中へ。自ら獲物を捕らえ、小屋を作り、捕食動物から身を守る。最後の生存者は賞金50万ドルを手にする。極限状態で行われる孤独なサバイバルゲームの様子を伝えるリアリティ・ショー。