「叢 – Qusamura」は「いい顔してる植物」をコンセプトに、個性豊かな美しさを提案する植物屋。広島と東京・世田谷に店舗を構え、店主自ら日本中を旅して集めた一点ものの植物を販売している。生活を共にする、いわば日々の相棒となるような、唯一無二の植物と出会おう。
植物の美しさは、シルエットだけではなく“生きている姿”そのもの。そう考える叢には、日本中を旅して集めた個性的な植物が、その個体の特徴を引き出す器とあわせて並んでいる。世田谷の店舗を手がけたのは店主と同郷である建築家の谷尻誠・吉田愛が主宰するSUPPOSE DESIGN OFFICE。もともとあった一軒家をリノベーションしてつくられた美術館のホワイトギャラリーのようなその白い空間では、じっくりと植物と向き合うことができる。
また現在、期間限定イベント「叢展ー植物の持つ時間的魅力」が伊勢丹新宿店で行われており、8月3日(火)まで新宿で叢の世界観が堪能できる。
叢で扱う多肉植物やサボテンは、10〜50年ものが多く、年季の入ったものほど個性が出て、木化などの経年変化が、さながらアート作品か骨董品のような魅力になるという。
それほどまで大事に育てられてきた植物を家に迎えるとなると、こちらの心持ちも気軽に、とはいかない。植物にとって最も大事なことは、育てる過程で枯れないこと。そのためには家の環境に合った植物を知る必要がある。置く場所の光の量や風の通り方を確認した上で、そこに適したものの中から選んでいく。その条件がクリアになった植物の中から、造形や肌感など、自分の感覚でじっくり個性を見極めたい。
仮に傷があったとしても、その傷を含めて、これまで植物がたくましく生きてきた証。生き方が姿に現れた個性豊かな植物に出会えたら、より愛着を持って育てることができるだろう。そして、それはまた人も同じ。努力や苦労を重ねた人ほど個性的で面白い。命が宿ったアートのような一点ものの植物に力を得て、共に日々を歩む相棒にしたい。
RECOMMENDER:
白石 亜希子
Harumari TOKYO編集部