誰かが不倫をして、それを誰かが徹底的に叩く。最初のうちは盛り上がってたかもしれないけど、近ごろではそれも繰り返しすぎててウンザリ。そのテのネタに飽きてきたと感じているなら、もっとヤバいやつをドラマで楽しまない?
「最近ものすごく芸能人の“不倫”にまつわるニュースが多いじゃないですか。ワイドショーなんて、大物のネタだったりしたら、それこそ一日中ず~っとやってますよね。部外者の私たちは、本人たちの気持ちとか、本当のことなんて分かりっこないのに」(ぴんこ)
「そのうちに、なんか『もうええわ!』って思っちゃって。どうせなら、もっとドロドロしたヤツを思いっきり見たいなぁ……という気持ちになったワケです。そこで思い出したのが『ミストレス』!」
今回紹介する「ミストレス ~愛人たちの秘密」は、イギリスの公共放送局であるBBCが2010年に制作した大ヒットドラマ。アメリカ、ロシア、韓国などでもリメイク版が制作される人気ぶりである。不倫はやっぱり世界共通普遍のテーマなのか・・・。
「イギリス公共の放送局が、こんなテーマのドラマを10年前に作るってスゴい! そしてなんと今、日本でもちょうどNHKが連続ドラマとしてリメイクしているんです」
そう、今年の4月からは、日本でも長谷川京子さん主演のリメイク版が放送開始。こちらも大きな話題となっている。
「ストーリー的には、アラフォーの4人の女性が出てきて、それぞれ4者4様に繰り広げられるズブズブの不倫ドラマです。登場人物のなかには子どもがいる人も。キュンキュンするシーンもあるし、エグかったりリアルだったりで、いろいろな要素が盛りだくさん!」
みんなの期待(?)を裏切らない、欲望が渦巻く愛憎劇を堪能できる。
「メインの4人の女性たちは、みんながみんな、別々に不倫してます。たとえば、登場人物のひとりは、もともと職場で不倫してるんですが、この男がストーカーっぽくなってきてウンザリしていたところに、仕事で若いカメラマンと出会って恋に落ちると」
「もともと4人は仲がいいんですが、知り合いの知り合いと不倫する場面もあったりで、だんだん友情が崩れていきます。ちなみに私は4人のなかではケイティの話が好きですね」
ほかにも大人の恋愛を描いたドラマはあるが、「ミストレス」がいちばん今回のテーマにしっくりくるようだ。
「同じような系統だと『デスパレートな妻たち』も面白いんですが、あっちはもう少しコメディチック。『ミストレス』のほうがリアルで、全体的にしめっぽい。みんな根暗かよ、みたいな(笑)」
「毒々しい昼ドラの世界観が好きな日本人にスゴくぴったり。いろいろあって、とことん泥沼にひたりたいならコレ」
「修羅場連発の目が離せない展開は、昼ドラとワイドショーを合体させたような感じ。なんですが、舞台がイギリスというのもあるのか、何となく上品さを保てているのはさすがです」
「ということで、度重なる不倫報道に嫌気が差したら、ぜひHuluをチェックしてみて!たぶんワイドショーよりこっちを観てたほうがドラマチックで面白いはず。そのあとはNHK版を観て、比べてみるのもアリですね」
それにしても、イギリスでも日本でも、公共放送局が“不倫”というテーマをガッツリ扱うなんて。「不倫は文化」というのは、あながち間違いじゃないのかも?
取材・文:中山秀明
コンテンツセレクト:岡野ぴんこ
【ミストレス ~愛人たちの秘密】
イギリスの閑静な地住宅街に住む医師のケイティら4人のアラフォー女性。大学時代からの友人でもある彼女たちが、それぞれ秘密を抱え、欲望に溺れていく姿を描いたスキャンダラス・ドラマ。