海外ドラマは休日や深夜にブッ通しで見るもの、とは限らない。Netflixオリジナル作品の「サンタクラリータ・ダイエット」なら、1話30分でカロリー控えめ。気軽に楽しめるホラーコメディだ。ドラマとは思えない豪華な顔ぶれにも注目。
大まかなストーリーは、アメリカのふつうの家庭のお母さんが、ある日突然ゾンビになって、人を襲って、その肉を食べないと生きていけなくなって…というお話。人物設定でいえば、郊外で不動産屋を営んでいる夫婦がいて、高校生の娘がいて…と、こちらも絵に描いたような海外ドラマ。なのだが、どうやらキャスティングの妙があるようで。
「Netflixのオリジナルドラマにドリュー・バリモアって豪華じゃない!? しかもドリューがめちゃくちゃかわいい! もうたまらない!」(ぴんこ)
大人だけどキュート、なあの感じである。とにかく、主演のドリュー・バリモアをはじめ、まわりを固める出演者や制作陣の顔ぶれが豪華。このメンツで、悪くいえばB級(?)な題材のドラマを作るのだから、普通になるはずがない。
「カップラーメンに三ツ星シェフが手を加えると、どれだけおいしくなるか、みたいな化学反応があるドラマ。作り手サイドも徹底的に楽しんでるみたい」
たとえば、いかにもホームコメディというアットホームなシーンに、前ぶれなく血しぶきがブワッと出る。そんなセンセーショナルなシーンを、音楽ふくめてポップで明るく演出したり。そもそも、なんでお母さんがゾンビになってしまったのか。その謎をなかなか解明しようとしないシュールな話の流れだったり(のちに謎に迫るシーンもあるのだが)。
「ふつうのドラマや映画は飽きました」と言っているかのように、超一流のクリエイターが“一周まわって”真剣にふざけているのが伝わってくる。
「海外ドラマ好きにはもちろんおすすめなんだけど、ふだん難しいことを考えているクリエイティブ業界の人にもいいかも。いい意味で脳みそをかき回される感じ」
自由なようでいて、実はものすごく細かく決まっている、アメリカのゾンビ映画のセオリー。このドラマでは、そういった既成概念もどんどん壊していく。“生みの苦しみ”を味わっている人にとっては、確かにいい刺激になりそうだ。
ちなみに、タイトルの「ダイエット」は、英語本来の「食べ物」という意味で、日本でいうダイエットとは関係ないらしい。
「サンタクラリータ・ダイエット」は、すでにNetflixでシーズン2まで独占配信中。なので、シーズン1を一気に全話見てしまう、という“海外ドラマあるある”も、できるといえばできる。
「だけど、次の回が気になってしょうがない、という終わり方ではなく、むしろ何となく展開は読めそう。いざ次回を見てみると、どんでん返しが待っていることもよくあるけど」
まとまった時間をとって視聴するのではなく、1週間に1話くらいのペースで見るのもアリだという。
「もちろんジャンルはドラマなんだけど、気分的にはコメディとかバラエティに近い感じかな。だからエンタメ好きな人にも良さそう。海外ドラマは1話が60分のものが多いけど、これは1話が30分で短めだし、敷居はかなり低いと思う」
仕事もプライベートも忙しいので、平日はテレビ番組を録画しておいて、休日にまとめて見る人は少なくない。そう、このドラマは、そんな録り貯めた番組を見る“テレビタイム”にもおすすめできるのだ。
「けっこうグロい描写も出てくるから、小さいお子さんには見せないほうがいいよ。まぁ、ホラーな演出も、あえてわざとらしくしてるから、大人は笑っちゃうんだけどね」
寛ぎのインプット時間にふと訪れる、高感度な大人だけの笑い。カッコ良くいえばそんな感じか。そんな束の間の娯楽にドリュー・バリモアとは、なんとも贅沢な話である。平日夜のクロージングタイムに30分。ヘルシーな笑いで一日を終えてみよう。
取材・文:中山秀明
コンテンツセレクト:岡野ぴんこ
【サンタクラリータ・ダイエット】
シーラとジョエルは、ロサンゼルス郊外のサンタクラリータで不動産業を営む、ごく普通の夫婦。だが、妻シーラが突然“不死者(アンデッド)”になってから、家族は死と破滅の道を迷走中…。ドリュー・バリモア主演の、ジャンルを超えたホームコメディ。
Netflixオリジナルシリーズ『サンタクラリータ・ダイエット』シーズン1~2独占配信中
https://www.netflix.com/title/80095815
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公式WEB: | https://www.netflix.com/title/80095815 |
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