まだ在宅が続き、ちょっと後ろ向きになった心に効くのは、セクシーでゴージャスなショー。ひとたび観れば、家の中にいたって否応なしに気分がアガるし、思わずメイクやオシャレを頑張りたくなってしまう。あの歌姫のとてつもない存在感にも注目だ。
「今回は2010年公開のミュージカル映画『バーレスク』。クリスティーナ・アギレラが主人公で、アメリカン・ドリームを叶えていくストーリーですね。ミュージカルが苦手な人でも、比較的観やすい作品だと思います」(ぴんこ)
「お話の流れはコッテコテの古き良きアメリカン・ドリームって感じですね。アメリカの田舎でくすぶっていた女の子が、歌手になることを夢見て、一文無しでL.A.に出てきます。そこで見つけたバーレスク・ラウンジの舞台に魅せられて、アルバイトを始めて、ウエイターの人と恋に落ちて……と、いろいろなことが起こります。最終的には経営難だったバーレスク・ラウンジを、彼女の歌とダンスの才能で救っていくと」
バーレスク・ラウンジの舞台では、これぞエンターテインメント、というべき圧倒的なパフォーマンスが繰り広げられる。
「そこで、クリスティーナ・アギレラの歌唱力がもう際立つわけですよ! すごく歌うまいなーって。とにかく華やかだし、衣装も素敵なのが多いんです。もちろん音楽も最高! これはもう、華麗な歌とダンスを観るだけでも価値があります。ストーリーがなくてもいい映画! っていう(笑)」
いい意味で複雑じゃないストーリーが、この映画にはちょうどいい。
「小難しいことは考えないで、最高のエンターテインメントに身を任せていれば大丈夫。って言われている気がします。耳だけでもぜんぜん楽しめるし、サウンドトラックをダウンロードしたくなりますね」
「この映画の中で、クリスティーナ・アギレラは舞台にデビューしてすぐにスター歌手になります。すると、やっぱり嫉妬して意地悪したりする人が出てくるもの。そんな敵役を演じているのが、クリスティン・ベルっていう女優なんですけど、実はこの人、『アナと雪の女王』のアナの声を演じた人なんです」
「この人、この後“アナ雪”のアナになるんだ! っていうのも、ちょっと前の映画を観るもうひとつの面白さですよね。もちろんクリスティン・ベルも歌がうまいから『バーレスク』に出てるわけで、アナの歌のうまさにも納得です。ちなみに彼女は、『ゴシップガール』のナレーションも務めています。意外といろんな作品に出ているんですが、声だけ知っているっていう人も多いかもしれませんね」
他にもいろいろな楽しみ方があるようだ。
「最近、家にいてばっかりでメイクしてないなっていう女の子もいると思います。この映画を観ると、いちどキレイな格好して、髪とメイクを整えてみようかなって、ちゃんとした気分になります」
外に出かけなさすぎて「オシャレって何だっけ?」ってなっている人が、それを思い出すきっかけにもなる。
「あと、バーとかクラブとかって、よく壁一面にプロジェクターで無音の映画が流れてますよね。メイクもダンスも衣装もいいから、つまり見た目がいいから、けっこう『バーレスク』は採用されてます」
映画を流して部屋を演出する、そんな使い方をするのもアリかもしれない。ちょっとクラシカルでゴージャスな『バーレスク』の世界観が、気分にフィットするはずだ。
「いろいろありますが、とにかく『バーレスク』はまだ在宅が続くこんな時期でも華やかな気持ちになれますよ! クリスティーナ・アギレラの美貌、踊り、そして歌声を思いっきり堪能してください!」
使い道は数あれど、まずは観る者の心を打つ、圧巻のエンターテインメントに酔いしれよう。
取材・文:中山秀明
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